家を建てるのは「一生に一度」の大きな買い物です。この一生に一度の家を建てるために必要なのが「土地」。家づくりにはこの土地選びも大切なポイントです。ここでは、はじめての方にもわかりやすい、後悔しない土地選びのポイントの一部をご紹介します。
「土地を先に購入してしまって理想の住まいが入らない!」などという状況にならないよう、土地探しと建築会社選びはできるだけ並行して行うと良いでしょう。不動産会社は「土地のプロ」であり、「建物のプロ」は建築会社です。自分が気に入った土地が出たとき、それが人気のある土地であれば、購入の決断を迫られる時間も早まります。気に入った土地が見つかったときに「自分の理想の間取りがちゃんと入るか」「本当に購入していいのか」などすぐに相談できるよう、土地探しと建築会社選びはできるだけ並行させるのが1つのポイントです。
家族のライフスタイルに合った土地が見つかっても、土地の状態が悪くては家を建てたあとに大変なことになりかねません。土地の状態はその土地固有の性質であり、あとから変えることはできないので注意が必要です。
好条件の土地は、なかなか見つからず、見つかっても人気があり割高になるケースも。形状、方角のそれぞれのメリット・デメリットを理解して、自分のライフスタイルにあう土地を検討しましょう。
河川敷や沼地・水田などを埋め立てたり、傾斜に盛り土をして作られた造成地は、地盤が軟弱なケースがあります。家を建てる前には、正確に地盤の強さを測定しますが、場合によっては地盤改良をする必要があり、費用が必要となります。
水はけが悪い土地は、台風や大雨の際に、水があふれ出てしまうことがあります。集中豪雨などが突発的に発生した時にも困らないように、しっかりと確認しておくようにしましょう。
土地が崖の下に位置していたり、近くに大きな川があると、台風や大雨、地震などの時に被害を受ける可能性があります。自然災害は、いつどこで発生するか分かりません。その土地のまわりの広い範囲で、過去の台風や地震のときの状況を必ずチェックしましょう。
【土地の方位と特徴】
【道路と間取りの関係】
家族それぞれに必要な環境を確認して優先順位を決めましょう!
チェックポイントの一例
鉄道・バス・道路(通勤)、ショッピングセンター(買い物)
チェックポイントの一例
ショッピングセンター(買い物)、役所、金融機関、病院、ゴミの回収、自治会
チェックポイントの一例
学校(通学)、塾、図書館・体育館(文化施設)、防犯性
大切なことはインターネット・地図などの資料で調べる、昼と夜、平日と週末など条件をいろいろ変えて、現地を自分の目で確かめることです。公園、風、陽当たりなどの自然環境もチェック! 実際に自分の目と足で確かめましょう。
自分の土地であっても、好き勝手に家を建てることはできません。その土地に建てられる建築面積(建物を真上から見た時の水平投影面積)と延床面積(各階の床面積の合計)に関しては、用途地域に応じて細かく決められています。それ以外にも、土地と道路との関係、建物の高さ、隣地との関係などのいろいろな決まりがあります。ここでは一部をご紹介します。
建ぺい率は、その敷地に建てられる建築面積の割合のこと。
■ 敷地が100㎡で建ぺい率が50%の場合
例:建ぺい率が50%と定められている場合、土地が100㎡であれば、建築面積は50㎡までとなります。
容積率は、その敷地に建てられる延床面積(各階の床面積の合計)の割合のこと。
■敷地が100㎡で建ぺい率が50%容積率が80%の場合
■ 建築地はどの区域に
都市計画で決まられた用途地域によって規制が異なります。
■ 農地転用は
農地に建築する場合は、注意が必要です。特に市街化調整区域内の農地の場合、農家用家屋・分家申請・既存宅地以外は建築が困難です。
■ 防火地域・準防火地域
防火地域では、原則として新たな木造建物の建築は難しく、準防火地域でも建物の外壁や軒裏を防火構造にするなど、主要構造部・開口部に関する一定の基準を満たさなくてはいけません。
■ 北側斜線制限
北側にあるお隣の家への日照のための制限です。(図は第一種・第二種低層住居専用地域の場合)
■ 敷地は道路に2m以上接していなければいけません。
■ 敷地の前の道路の幅員は4m以上必要です。※図1
4m以上ない場合は道路の中心線より2m後退したところを境界線とします。
■ 道路斜線制限※図2
道路やその両側の家の日照のための制限です。規定された傾斜の斜線をひき、その中に建物を収めなければいけません。
■ 計画道路
理想的な住まいがやっと完成。そこへ道路の計画が…そんなことのないように、
前もって計画道路も知っておく必要があります。