北海道の北東部に位置する女満別は、冬になるとマイナス14度、15度になる酷寒の地。
「特に冷え込むのは、朝の出勤の時です。顔がこわばって、体中がキュッと締まる感じがします。車のフロントガラスも、真っ白に曇るように凍り、シャーベット状になっていますね。なので、この地域に住むには、何よりも“暖かい家”が求められます。断熱性能や気密性能が高く、熱を逃さないことが重要になりますね」。
北海道の住まいについて語る佐々木さんは、ユニバーサルホームの加盟法人である「斉藤建設」の社長を務める、いわば建築のプロ。これまで、たくさんの暖かい家を建て続けてきた。
「当社でいうと、地熱床暖房が暖かさのポイントになるのですが、実際、入居されたお客様からも、『家全体が暖かい』『お子さんが、暑がるほど』など、喜びの声を多く頂いています。また、地熱床暖房は、省エネの面でも効果を上げていますね。以前はマンションに住んでいたというお客様がいて、『新しい家は床面積が倍になったのに、月々の光熱費は低減した』と話しておられました」。
北海道 佐々木さん
建築年月:2017年2月
家族構成:ご夫婦・お子さま2人
女満別の最低気温気象庁データより
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 |
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-24.8℃ | -23.2℃ | -20.9℃ | -22.7℃ | -23.0℃ |
そして今度は、佐々木さん自身が、家族のために「地熱床暖房」の家を設計。この冬、42坪の平屋建てが完成した。
「マイホームは、一家団らんというイメージで設計をしました。平屋建ての良さは、段差が少ないことですね。歳をとると2階に上がることもなくなりますし、だんだんと子どもたちも巣立っていくので、部屋数も少なくてよいのかな…と。将来、子どもたちに家族ができて、みんなで集まり、楽しいひとときが過ごせる。そんな家をつくりたいと考えました」。
新しい家に入居して、奥様がまず感じたのは、「玄関に入った瞬間から暖かい」ということだった。「家の隅々まで、まるで日光浴をしているようにポカポカと暖かいんです」。
地熱床暖房は、暖まった空気が自然にゆっくりと対流するので、部屋全体がほんわりと暖かくなる。
「部屋が乾燥しないのもいいですね。でも、洗濯物はしっかり乾くんですよ!前の家では、帰宅した後、外靴をストーブの脇に置いて、翌朝まで干していました。それを忘れると、カチカチになってしまって…。今は、濡れた靴も上着も手袋も、全部玄関で乾かしています。朝、主人が出勤する時は、靴も服も程よく暖まっていますね」。
以前、佐々木さん家族は、築40年の木造の2階建てに住んでいた。暖房器具は、FFストーブ(石油式)を使用。しかし、1台のストーブでは、広範囲を暖めることができず、2階に至っては、氷点下になるくらい寒かったという。
「子どもたちは冬の間、ストーブの前で毛布にくるまって遊んだり、本を読んだりして過ごしていました。何をするにも、ストーブから離れることはありませんでしたね。それが今は一転して、毎日、家の中を元気よく駆け回っています。床が暖かいから、裸足でも平気なようですし、下の子はすぐに服を脱いでしまうんですよ」。奥様は、新居に引っ越して、子どもたちが活発になったのがうれしいと話す。
佐々木さんは、マイホームを建てるにあたり、数々のこだわりを設計に取り入れていった。
「最初に取り組んだのは、広いホールをつくることでした。以前、リフォームをさせていただいたお客様から、『グランドピアノを欲しい方、いらっしゃいませんか?』と声をかけられ、妻もほしいと言っていたので、これだけは外せないなと思いました」。
「本当に自分の夢をかなえてもらったというか、夢のような空間をつくってもらいました」と奥様。
「あと、玄関もこだわりました。高級感があるように見せたくて、石目調のフロアで統一しました。それに、石には蓄熱効果があり、熱を吸収して、ゆっくりと放熱する。地熱床との相乗効果も生まれて、上質かつ暖かな玄関になりました」。
「また、家は長く住むものなので、間取りは、先のことを考えて設計しました。子どもが小さい時は、のびのびと遊べる広い子ども部屋をつくり、うちは子どもが兄と妹なので、将来的には真ん中に仕切りをして、部屋を分けられるようにしました。その後、子どもたちが巣立ってしまえば、また一間に戻し、私たちの寝室として使うことができます。現在は、14畳の部屋から、広々とした空間が続き、まるで体育館のようになっています(笑)」。
「子どもたちは、おもちゃの車を端っこから端っこまで走らせてみたり、鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、思いっきり遊んでいますね」。
「家づくりには、いろいろと悩むこともあったけれど、私は要望だけを伝えました。やはり主人はプロなので、そこは任せて良かったと思います」と奥様。
そんなご夫婦がそろって、一番うれしかったのは、「子どもたちが新しい家を喜んでくれたこと」なのだとか。
数多くの家づくりに携わってきた佐々木さんは、これからも家族の笑顔が絶えない家、寒い冬でも快適に過ごせる家をつくっていきたいと語る。
「あるお客様のところで、お子さんを抱っこさせてもらったことがあるのですが、その時に、お子さんに喜んでもらえる家をつくっていきたい!と強く感じました。もちろん、そのご両親であるお客様の要望を叶えることがもっとも大切なのですが、やはり私の中心には、地熱床暖房の心地よさを、ぜひ体感してほしい思いがあります。そして、家族みんなが心身ともに快適に過ごせる、この世に1つの家をつくっていただきたい。そのお手伝いを全力でしたいと思っております」。