北海道・札幌市の1月の平均気温は-3℃。家の中は、暖房がされていて暖かいイメージだが、やはり朝晩は寒く、暖房が効いていないと、底冷えがするという。
「特に、朝起きた時や、外から帰ってきた時は、部屋が冷え切っていて寒いですね。急いで暖房をつけても、部屋が暖まるまで時間がかかるし、温風が体にあたって、暖かさを感じ始めても、床は冷たいままなので、いつも厚い靴下を履いていました」
以前マンションに住んでいたN夫妻は、冬の生活を、そのように振り返る。
その後、マイホームを建てることになったNさん。一戸建ては、マンションのように上下左右に人が住んでいないため、さらに寒さが増すだろうと想像していた。
「だから、冬でも暖かな家に住みたい!という思いは強かったですね。といっても、具体的な考えがあったわけではなく……。たとえば、床に暖かいカーペットを敷けば、少しは寒さをカバーできるけれど、フローリングの生活もしたかった。そんな時、ユニバーサルホームのモデルルームで、『夏はひんやりして、冬は暖かい地熱床』のことを聞いたのです。その地熱を利用して、床全体を暖房するというシステムに魅力を感じました」
北海道 N 様
建築年月:2013年3月
家族構成:ご夫婦・お子さま1人
新しい家に入居したのは、まだ寒さの残る3月。住み始めて、最初に実感したのが、足元から伝わる心地のよい暖かさだった。「温風が体の一部にあたるのとは違い、足が触れる床も、漂う空気も暖かく、全身で暖かさを感じることができました」
実はNさんは、設計の段階で、「1階は、冬でも床暖房だけで過ごせる」という説明を聞いた時、半信半疑だった。担当者に「ストーブが必要になったら、買ってくださいね(笑)」と話をすると、「絶対に大丈夫です!」と、確信をもった言葉が返ってきたという。
「本当に大丈夫でした。まぁ3月は寒くても春だし……、という気持ちも少しはありましたが、冬が巡り1月や2月になっても、暖かさは変わらず、改めて地熱床暖房のすごさがわかりました。これまで、ほかの暖房器具が必要だと思ったことは1度もありませんね」
以前、マンションに住んでいた時は、靴下を2枚履きしていた奥様も、「この家では、薄い靴下を履くか、あとは裸足で過ごしています」と、暖かなフローリング生活を満喫している。
奥様の実家は自宅から近く、お母様もよく訪ねてくる。そしていつも「この家は、真冬でも暖かくてホントにいいわね。」と感心しているそうだ。
「母はマンション暮らしで、長年、冬は寒いのが当然という生活をしてきたので、わが家の暖かさに驚いているようです。私自身、この家に慣れてしまったので、実家に帰って、冷たい床に触れるのがイヤで、母の方に来てもらうことが多くなりましたね。お正月も実家で過ごさず、うちへ泊まってもらいました」
3歳のお子さんも、暖かな床の感触を気持ちよく感じている様子。
「息子は寒くても外で遊ぶのが好きで、体の芯まで冷えて帰ってくるのですが、家に入るとすぐに、玄関で靴下を脱ぎ、カーディガンまで脱いでしまいます。家の中では、床に寝そべって、車で遊んだり、積み木をしたりして過ごしていますね」
また、リビング以外でも、床の暖かさを実感しているのが、バスルームの脱衣所。
「床のタイルがほんのりと、フローリング以上に暖かいんですよ。まだ子どもが小さいので、着替えに手間がかかり、寒い脱衣所だったら早くしなくては!となるけれど、ここならゆっくりでも大丈夫なので、自分で着替えをさせています。育児にゆとりがもてるのもいいですね」
さらに奥様はキッチンまわりの暖かさも嬉しいと話す。
「前に住んでいたマンションは、キッチンが奥にあり、温風が届かなくて寒かったのですが、今は床暖房なので、全体が暖かい。時間をかけてお料理もできるし、油はねなどの掃除も、床に手をついて丁寧にできます。家事が苦にならなくなりました」
新居をつくる際、空間を明るく開放的にしたかったNさん。リビングに吹き抜けをつくり、横に2階へ続く階段をつけた。一方で、このようなデザインは、熱が逃げて寒くなるのではないか、2階から冷たい空気が降りてくるのではないか、と不安もあったという。しかし、
「全く問題なかったですね。2階はパネルヒーターを設置しているのですが、日中は、ほとんど消していて、逆につけていると、暑いくらいです。1階の地熱床の暖かさが、きっと2階へ上がっていくのでしょうね」
「地熱床の1番良いところは、床の隅々まで暖かいということです。お風呂場やキッチン、トイレや玄関に至るまで暖かいので、生活がとてもしやすくなりました」
そしてN夫妻は、地熱床の快適さが、日々の暮らしを豊かにしてくれると語る。
「わが家の場合、2階は寝るだけの部屋になっていて、日中から夜まで、家族一緒に1階で過ごしています。やっぱりリビングの居心地がいいんですよ。この先子どもが大きくなっても、子ども部屋に閉じこもらないで、リビングで顔を合わせる時間を持ちたいし、今のような一家団欒を大事にしたい。また、仕事から帰宅する時も、『家は暖かいだろうな』という気持ちで帰れるのは、ありがたいですね」