注文住宅は、設備や内装などに自分たちの希望を反映させることができます。とはいえ、自由度が高い分、選択や判断を誤ることで「実際に住んでみたら居心地が悪かった」という結果にいたるケースもよくあります。そこで今回は、住心地のよい注文住宅を建てるための成功術について紹介します。これから注文住宅を建てる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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注文住宅成功への道!同居家族で話し合う重要性
住心地のよい注文住宅を建てるための成功術としてもっとも重要なのは、同居予定の家族でよく話し合うことです。とくに、全員そろって顔を合わせながら話をするというのが大切なポイントです。家族みんなが住みやすい住宅を建てるためには、1人1人が住宅に求める条件をしっかりすり合わせておかなければなりません。一見、当たり前のことのように思えますが、注文住宅を建てて失敗したケースでは、家族間での話し合いが不十分だったという場合が多いのです。
夫婦2人だけ、または家族の誰かが欠けた状態などで話合いを進めてしまうと、設計や工事が進んだあとで認識のズレが明らかになることがあります。もちろん、設計段階であれば修正は可能です。ただし、全体の設計をやり直すことになれば、予定よりも着工までに時間がかかってしまいます。また、工事が始まると修正は困難になるため、注意が必要です。住宅が出来上がったあとで家族間のもめ事が起こると、せっかくの新生活のスタートが台無しになってしまいます。とくに同居する家族の人数が多いほど、全員の意思確認がおろそかになりやすいため気をつけなければなりません。
注文住宅はライフプランと一緒に考えよう!
家族全員が住みやすい住宅を建てるためには、今後のライフプランについてしっかり考慮することが大切です。すでに子どもがいる、もしくはこれから子どもが増える予定がある場合は、子どもの人数や成長過程で起こる変化を想定し、家作りに反映する必要があります。たとえば、子ども部屋はどうするのか考えてみましょう。1つの部屋を全員で共有するのか、それとも1人1人に別の部屋を与えるのかによって、必要な間取りは変わります。また、進学したり就職したりするタイミングになると、子どもは実家を出て1人暮らしを始める可能性もあります。とくに子どもが何人かいる場合、子ども全員が実家を出ることになれば、複数の部屋が余ってしまう恐れもあります。
確かに、子どもが小さいうちに将来のことをイメージするのは簡単なことではありません。とはいえ、自分たち家族のライフプランを想定することは、非常に重要なことです。想定できる限りの将来的のライフプランに合わせて、間取りや内装などを決めていきましょう。複数のライフプランのパターンに対応できるような住宅を目指せば、いつまでも快適な家に住み続けることができます。将来、子ども部屋が不要になるようであれば、その使い道を考えておくことも必要です。なお、子どもの成長過程に合わせて間取りを変更できるよう、壁ではなく簡易的な仕切りを設置するという方法もあります。
理想の注文住宅とコストのバランス
家族全員が納得できる家を建てるためには、理想の住環境とそれを実現するためにかかるコストのバランスにも配慮しましょう。注文住宅は、自分たちの好みに合わせて自由に設計できるという点が最大の魅力です。また、住宅会社の担当者との打ち合わせでは魅力的な提案をたくさん受けるため、より設備が充実した住宅への憧れも強くなります。しかし、理想ばかりを追い求めていると、費用が高額になりやすいため注意が必要です。
建てる住宅の条件を決める際は、どうしてもゆずれない部分をピックアップすることから始めましょう。優先順位をつけ、予算内では、どの程度の理想が実現できるのかシミュレーションすることが大切です。理想と現実のバランスがどうしても釣り合わない場合は、コストをおさえながらそれを実現する方法がないか検討してみましょう。実際、さまざまなアイディアを活用し、予算内で理想の住宅を建てている人はたくさんいます。注文住宅の成功例などを参考にし、真似できそうな部分を探すとよいです。
モデルハウスのイメージを鵜呑みにするのは危険
自分たち家族に適した住宅を建てるためには、モデルハウスのイメージを鵜呑みにするのは危険です。モデルハウスは、注文住宅の魅力を最大限に引き出せるよう設計して建てられています。注文住宅の内装や外装、設備にはさまざまなグレードがありますが、モデルハウスはその中でももっともグレードが高いものを使用していることが多いです。また、モデルハウスは住宅がより素敵に見えるように、インテリアにも細かい工夫が施されています。たとえば、プロのインテリアコーディネーターが家具を選び、配置を行っています。家具にも、高級品やデザイナーズ商品などを取り入れている可能性が高いです。
そのため、モデルハウスを見て「この家がそのまま手に入る」と思ってしまうと、契約後の設計段階でギャップを感じる恐れがあります。モデルハウスと同じグレードの住宅を購入しようとすると、予想以上の高い金額が提示される可能性が高いです。予算内におさめようとすると、イメージしていたものとまったく違う住宅になってしまうことも十分あり得ます。モデルハウスを見学する際は、あくまでも参考程度に留めるようにしましょう。
信頼できる専門家の意見を参考にしよう
毎日の生活がしやすい住宅を建てるためには、専門家の意見をしっかり聞くことも重要です。家族間で建設したい理想の住宅像が定まったら、それが実際に実現できるかどうか確認しましょう。この時点で、費用や工期はどのくらいかかるのか把握することも大切です。また、住宅を建てる際は、購入者の希望や予算といった条件以外にも、法律による制限がかかる場合もあります。そういった事情は、専門家でなければ判断できないことも多いです。
専門家はこれまでにもたくさんの住宅やその購入者をみています。そういった経験を踏まえた意見を聞くと、暮らしやすい住宅を設計するための大きなヒントとなります。成功例だけでなく、失敗例を聞くことも大切です。似たような建て方でも、家族構成やライフスタイルによって成功と失敗が分かれる場合があります。
さらに、予算について悩みがある場合は、うまくコストをカットする方法についても相談してみるとよいです。さまざまな事例をもとに、実現可能な節約方法を提案してもらうことができます。なお、営業担当者と建築士では意見が異なることもあるため、積極的にさまざまな角度から質問をぶつけてみましょう。
情報は多く集めたい!家族全員が住みやすい家のために
家族全員が最高だと感じられるような住宅を建てるためには、家族間でしっかり意見を出し合い、さまざまな情報を活用することが必要不可欠です。情報が多ければ多いほど、住宅についていろいろな視点から検討を行うことができます。注文住宅は自由度が高いですが、自分たちの意見を反映できるのは設計の期間のみです。着工後に気が変わっても、工事を中断してまでそれを反映させるのは現実的には難しいといえます。
住宅は、家族の生活を支える重要な基盤です。注文住宅を購入する多くの人にとっては、一生住み続ける場所となる可能性が高いです。満足度を高めるためには、はやい段階でしっかり情報を集めることが大切です。その上で徹底的に検討を行うようにすれば、住環境とコストの両面でしっかり納得のいく住宅を建てるのも難しいことではなくなります。今回紹介したポイントをおさえ、家族全員にとって住心地のよい家作りを成功させましょう。