自分の理想の家づくりをするために、注文住宅にしようと考えている人もいるでしょう。しかし、注文住宅にはさまざまなトラブルがつきものです。せっかくの家づくりにトラブルなど起きてほしくないですし、できれば事前に回避したいものです。注文住宅によくある施工中や施工後のトラブル事例や、回避方法についてお伝えします。
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施工中によくあるトラブル1.近隣住宅からのクレーム
施工中によくあるトラブルとして、近隣住宅とのトラブルがあります。施工中の騒音、施工中に発生するゴミやホコリ、業者の車が通行の邪魔になるなど、施工中に近隣住宅からクレームがくるケースです。本来は施主の責任ではなく、施工業者の問題になるのですが、住宅完成後の近所づきあいを円滑に進めるためには、避けたいトラブルのひとつになります。
近隣住宅とのトラブルを回避するために、施主自身が近隣に挨拶をしておくと良いでしょう。施工業者もトラブル防止のために、着工前に近隣への挨拶をするものですが、近隣住民としては、どんな人が新たな住人になるのかは気になるところです。施主がきちんと挨拶をしておけば、心証は良くなります。地鎮祭の日などに敷地の前後、隣三軒程度に簡単な自己紹介をして、工事の日程の説明をしておきましょう。留守の場合は日を改めてあいさつに行くか、ポストに手紙を残しておくと良いでしょう。
当初の予定より工期が延びた場合などは、わかった時点で早めに近隣にも理由と完成予定日を伝えておきましょう。不信感というのは、大抵はコミュニケーション不足によって生じるものです。この先長年お付き合いしていく近隣住民には、住む前から良好なコミュニケーションを取るように心がけておくことをおすすめします。
施工中によくあるトラブル2.工期の遅れ
施工中によくあるトラブルとして、予定していた工期よりも遅れてしまう工期遅延があります。トラブルを回避するため、また万一トラブルが発生した際に最善の対策がとれるように、着工前に工程表を入手しておくことが大切です。通常、契約書に完成時期と引き渡し日は明記されているはずですが、それとは別に、全体の流れが記されている工程表を書面でもらっておきましょう。
工期の遅れが生じた際に、責任の所在を明確にする必要があります。必ずしも施工業者側の問題ではない場合もあります。着工後に施主による変更が多いと工期遅延につながるので注意が必要です。また、悪天候が続いたり、地震などの災害が生じたりした場合も工期遅延になります。
いずれにしても、工期遅延の可能性が生じた場合は、施工業者から速やかに施主に連絡と説明があって然るべきです。その際に、事前の工程表に照らして責任の所在を明確にし、対応策を話し合う必要があります。施工業者側の責任であれば、必要に応じて仮住まいの家賃などの補償請求ができます。また、延期後の完成時期と引渡し日を明確にして、書面で提出してもらうことも必要です。工期遅延を取り返すべく、工事を急かしたりすると手抜き工事などにつながりかねないので、不必要に遅延を責めることは避けたほうが良いでしょう。
施工後によくあるトラブル1.イメージの相違
施工後によくあるトラブルが、完成した住宅がイメージと違うというものです。注文住宅の場合、施工業者は施主との打ち合わせを元に設計します。設計前の打ち合わせ段階で、施工会社と施主の間に齟齬が生じると、イメージと違う完成品ができる原因になります。
家を建てるのは初めてという施主の場合、自分の希望や要望を上手く伝えることはなかなか難しいものです。外観のイメージは持っていても、内装や細かい部分のイメージができなかったり、逆に細かい部分のこだわりはあるものの、全体のイメージがまとまらなかったりする場合もあるでしょう。平面図や立面図を見せられても、図面を見慣れないと出来上がりをイメージしにくいものです。外観や間取りなどの全体イメージや、窓の位置や向き、天井の高さなどのイメージがしやすいように、模型やCGを使ってシミュレーションしてくれる業者もあります。模型などがあると、図面ではイメージしづらい窓からの光の入り具合や、生活導線なども確認することができるでしょう。
また、自分のイメージ通りの家をつくるためには、できるだけ具体的に、根気強く説明することも大切です。上手く言葉にできない場合は、自分のイメージに近い写真やイラストなどを使うのも良いでしょう。構造上、また予算などによって必ずしもすべて希望通りにいかないこともあります。限られた条件の中で、どうすればイメージに近づけられるかをプロである施工業者と相談することで、折り合えることもあるでしょう。コミュニケーションを密にして意思の疎通を図ることが、イメージ通りの家をつくるためには最も重要です。
施工後によくあるトラブル2.施工ミス
施工後に発覚するトラブルとして、施工ミスや設備の不具合で住みにくさを感じる、というものがあります。ドアや床に傷があったり、壁や外装に色むら、剥がれがあったりと全体的に仕上がりが雑な場合もあります。このような施工ミスや雑な仕上がりを起こさせないために、施工中に何回か現場へ足を運び、写真や動画を撮っておくと良いでしょう。施主がたびたび現場を訪れていれば、手抜き作業はしにくくなります。丁寧な仕上がりへの期待値が上がるでしょう。また、記録をとっておくとトラブル時の証拠として役に立つ可能性もあります。
できればこうした施工ミスや不具合は引渡し前に発見したいものです。通常、完成が近づくと、内覧会や完成検査という名目で施主が事前確認をする機会が設けられます。この際は、カメラ持参で家の内外を隅々までチェックしておきましょう。気の済むまで徹底的にチェックし、少しでも気がかりな点は逐一施工業者に確認することです。施工業者側も内覧会前に一通り確認は済ませているものですが、やはり細かい部分の確認漏れはありがちです。引渡し前に修正や補修ができれば、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
事前にトラブルを防ぐためにコミュニケーションは必須
待ちに待った新居への入居は気持ちよく迎えたい、トラブルを起こしたくないと思うのは当然です。施工業者とのトラブルを起こさないために、まずは安心できる住宅会社を選ぶことです。注文住宅を建てる場合、建築設計事務所、工務店、ハウスメーカーに頼むなどの選択肢があります。いずれにせよ、過去の事例や実績が豊富である業者を選ぶと良いでしょう。また、長い付き合いになるかもしれない営業担当者との相性も業者を選ぶ際の大切なポイントになります。
担当者とのコミュニケーションを密にとることは、トラブルを事前に防ぐうえで欠かせません。気になる点があったら、後回しにせずすぐに確認することです。早めに対処できれば、大きなトラブルにならずに済むでしょう。トラブルのない、納得できる家づくりは、施主と住宅会社の担当者との信頼関係を築けるかにかかっているといっても過言ではないのです。
トラブルを回避するために注文住宅の知識は必須!
家づくりを始めると、夢や理想がどんどん膨らんでいきます。しかし、用意できる資金や土地の大きさ、住みやすさなどを冷静に考慮することが必要です。また、家づくりでトラブルを回避するために、ある程度の注文住宅に関する知識を身に着けておくことも大切です。施工業者との打ち合わせや話し合いの際に担当者から説明があります。その際、自身に何の予備知識もないと理解に時間がかかり打ち合わせが長引きますし、担当者の話の妥当性も不明です。注文住宅を依頼する場合の契約から完成までの流れや必要な手続き、確認事項などはあらかじめ調べておくと良いでしょう。事前にできる限りのトラブル回避をして、無事に新居完成を迎えたいものです。