住宅を新築する場合、「収納スペースをどう配置していくか?その程度の大きさとするか?」は大きな悩みです。一般的に、既存住宅の収納率(家の総床面積に対する収納面積の割合のこと)は、 約6%~7%に留まっており、多くのご家庭で荷物が部屋にあふれ出してしまい、これでは収納に対する不満を抱えてしまうことになります。(ちなみに専門家によると満足する収納率は、12%と言われています。)
日常生活の中で必要なものだけでなく、ライフスタイルの充実には欠かせない趣味のもの、子供たちの成長とともに買い足していくものなど、家に置くものは知らず知らずのうちにどんどん増えていきます。そこで、それぞれに収納しやすいスペースをしっかり確保しておくことが、散らからない住まいづくりの鉄則です。
人の動きを考えて、収納スペースを機能的に配置することがポイントです。使い勝手の良い配置はスムーズな生活を作り出してくれます。
例えば玄関やクローク、パントリーを導線上に配置することにより、玄関には家族の靴だけでなく、子供の遊び道具を、コートなどの外出着はクロークにかけていくことが出来ます。
また買い物帰りには買ってきたものをパントリーに一時収納、キッチン横に配置することにより、奥様が行き来しやすい導線を確保できます。
こういった帰宅時や日々の家事導線を考えておくこと、そしてスッキリ片づけておけるレイアウトにしていくことが毎日の暮らしを快適にしていきます。
各収納スペースの使い方をご紹介していきましょう。
玄関も工夫次第では生活が大きく変わります。シューズインクローゼットを設けると“外と中”の中間的な収納スペースを作り出すことができます。
靴だけでなくコートをかけたり、趣味の道具を置くのにも使える土間のような場所。昔の物置を屋根の続く屋内に設けたような便利さがあります。お子さまの砂遊び道具や三輪車、野球やサッカーの道具などすっきり収納できます。
無駄な動線を作らないためにも、キッチンはコンパクト&シンプルにするのが基本。合わせて、キッチン周りのいろいろなものが置ける「パントリー」は必需品です。勝手口につなげるなど、動線も考えれば、さらに家事効率が上がります。
パントリーには、様々な調理グッズだけでなく、野菜や備蓄品もおいておくことが出来、キッチンの収納も有効に活用することができます。
お風呂の脱衣所や、洗濯機置き場になることが多いリネンスペース。毎日使う場所なので、動線も考えながら収納を確保することが大切です。脱衣スペースに洗濯機置き場も集約し、洗面所スペースと仕切れるようにすると、来客時にも生活感が出にくく、少しの工夫で暮らしやすくなります。ちょっとしたすき間も、洗剤やタオルの収納に利用。バスマットをかけておくバーを設けるといった少しの工夫で暮らしやすくなる
今では一般的になったウォークインクローゼットですが、やはり一箇所にものを収納できることが便利で多くの方が設置されています。広々としたウォークインクローゼットなら、お洋服はもちろんバッグや靴、帽子などコーディネートに必要はものを、一箇所にまとめられます。
寝室は一日の終わりにぐっすり休むための場所ですが、それと同時に一日を始める場所でもあります。何かと時間がない朝、「今日は何を着ようかな」とクローゼットへ向かう時に、ご夫婦でそれぞれ別の場所が用意されていたら助かると思いませんか? 洗濯ものの片づけもしやすく、ご主人の家事参加へのきっかけにもなりそうです。寝室に夫婦それぞれのクローゼットやデスクを設置しておくと、子供が大きくなった時に自分専用のスペースを確保できます。
家中にちょっとした工夫をたくさん取り入れて、収納上手なおうちを実現しましょうね。