住宅の購入を検討している人にとって、建売住宅は魅力的な選択肢のひとつでしょう。しかし、そのメリットとデメリットを知らずに購入してしまうと、あとで後悔することになってしまいます。ここでは、よい点と悪い点、両方の視点から建売住宅について見ていくことにします。
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気に入れば即購入・即入居できる建売住宅
建売住宅の最大のメリットはなんといってもスピードです。新しい住まいを購入するにあたって、多くの人が場所を重視することでしょう。駅までのアクセスや買い物ができる場所、それに公園や学校の有無など、さまざまな角度から場所を検討することになります。それに合わせて各地の建売住宅を見学するでしょうが、その際気に入った場所に気に入った物件が手頃な値段で販売していれば、すぐに購入することが可能です。極端な話ですが、見学に行ったその日に仮契約を交わして、早ければ1カ月以内に新居に入居することもできるのです。とはいえ、この条件は家探しをしているほかの人でも同じになります。よい条件の家ほど早く売れてしまうため、十分に吟味せずに慌てて購入して失敗してしまうという可能性も否定できません。
建売住宅は建築現場の確認ができないのが最大のデメリット
次に建売住宅のデメリットを見てみましょう。建売住宅の場合、すでに建物ができあがっており、いつでも入居可能な状態で売られていることがほとんどです。それはスピードという面ではメリットになりますが、一方で建築現場を見ることができないという点では大きなデメリットになります。建売住宅では扱われている資材を事前に選ぶことも確認することも、またきちんと施行されているかも確認することができません。結果として欠陥住宅が販売されているケースもまま見受けられます。購入したあとに欠陥住宅だと判明して愕然とするなんてことにならないためにも、内覧会にはプロの専門家に立ち会ってもらうことも考えておきましょう。有償とはなりますが、第三者の一級建築士に立ち会い依頼をすることで、素人にはわからない問題を見つけてもらうことが可能です。
建売住宅の価格面のメリットは長く住む上ではデメリットにもなる?
建売住宅は、一般的に注文住宅を建てるのに比べて安くつくという利点があります。家を購入するにあたってほとんどの人は予算の上限を設定し、その金額以内でできる限り立地のよい場所を選ぼうとするはずです。予算と場所とを考慮した結果、条件に合うものがほかになかったということもあるでしょう。とはいえ、一度ここで立ち止まって「なぜ安いのか?」を真剣に考える必要があります。
建売住宅が安い理由はいくつかあります。
設計にお金をかけず同じような建物を複数作ることや、可能な限り予算を抑えた資材を使用することなどです。購入者に予算の制限があるように、建売住宅の販売業者にも建築予算があります。その予算に合わせようとすれば安い資材を使わざるを得ないのです。安い資材はその分だけ耐久性に劣りますから、長期間の使用には耐えません。せっかく住まいを購入したのに、想定していた期間よりも短い期間で建て替えの必要性が出てくる可能性もあります。価格面のメリットは長く住むうえではデメリットとなる可能性もあるのです。
住宅は一生に一度の買い物だからこそ後悔のしない選択を
住宅の購入は、多くの人にとって一生に一度きり、かつ人生でもっとも高い買い物となります。それだけに、さまざまな角度から検討を重ねて、慎重に購入を決める必要があるでしょう。建売住宅には建売住宅の、注文住宅には注文住宅のよさがあります。お金をかければそれだけ自分たちの理想に近づくことができますが、予算がある以上はどこかで妥協をしなければなりません。自分たちはどのような点を重視しているのか、またどのような点では妥協できるのかを家族でしっかりと話し合って、購入後に後悔しない選択をしましょう。