長引くコロナ禍の中で、テレワークスペースの確保、快適なおうち時間を過ごしたいというようなニーズも高まっており、住宅購入に対して積極的に情報収集されている方も多いのではないでしょうか?住宅購入の際に、国や行政からの購入資金などへの補助金を上手く活用していくことは大変重要です。
23年度予算の中で、「こどもみらい住宅支援事業」として、新築住宅の場合最大100万円の補助金が交付されることが決定されました。
今回は、この「こども未来支援事業」について解説していきます。
こどもみらい住宅支援事業とは?
こども未来支援事業では、下記の方が対象となります。
①新築注文住宅の建築主
②新築分譲住宅の購入者
③リフォーム工事の発注者
なお、①新築注文住宅および②新築分譲住宅については、子育て世帯又は若者夫婦世帯が取得する場合に限られています。
補助額は、①新築注文住宅と②新築分譲住宅の場合、住宅の省エネ性能等に応じて60万円から100万円となります。③リフォームについては、実施する補助対象工事および発注者の属性等に応じて5万円から60万円となります。
なお交付申請ができる事業者は、こどもみらい住宅事業者として予め事務局に登録した者となるため、契約等の段階で事業者に確認するようにご注意ください。
申請スケジュール
「こどもみらい支援事業」を利用するためには、下記の期日内での申請が必要になります。
- 契約期間:2021年11月26日 ~ 遅くとも2022年10月31日※
- 建築着工の期間:こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降となります
- 交付申請の期間:2022年3月下旬 ~ 遅くとも2022年10月31日※
- (交付申請の予約:2022年3月下旬 ~ 遅くとも2022年9月30日※)
- 完了報告期間:交付決定 ~ 2023年5月31日
※締め切りは、予算の執行状況に応じて国土交通省から公表されます。
補助制度の詳細
補助の対象者
「こどもみらい支援事業」の対象者は、以下の1,2の要件を満たす方が対象となります。
1.子育て世帯または若者夫婦世帯である方
子育て世帯とは、申請時点において、2003年4月2日以降に出生した子を有する世帯を指します。若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯です。
2.こどもみらい支援住宅の登録事業者と新築注文住宅の請負契約を締結・引渡を受け所有される方、もしくは新築分譲住宅の売買契約を締結・購入(所有)される方
「こどもみらい住宅事業者」は、予め本事業に登録をした住宅事業者です。消費者に代わり、交付申請等の手続きを代行、交付を受けた補助金を消費者に還元する者となります。
※新築分譲住宅の場合、宅地建物取引業の免許を有する事業者からの購入に限ります。
補助対象の住宅・期限
新築注文住宅においては、下記を満たす住宅が対象になります。
1.所有者(建築主)自らが居住すること
「居住」は、住民票における住所(居住地等)で確認されます。
2.土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地していること
「土砂災害防止法」とは、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)です。
3.未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないものであること
「完成」とは、完了検査済証の発出日で確認します。
4.住戸の床面積が50 ㎡以上であること
「床面積」とは、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により算定されます。なお、吹き抜け、バルコニー及びメーターボックスは除き、階段下のトイレ及び収納等の面積を含めます。
5.証明書等により、下のいずれかに該当すること住宅であることが確認できること
・ZEH住宅
・高い省エネ性能等を有する住宅
・一定の省エネ性能を有する住宅
6.交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できること
以下の①②のいずれかの方法で確認され、建築士による証明書が必要となります。
①基礎工事(杭基礎の場合は杭工事)の完了
②省エネ性能等※1に応じた住戸あたりの補助額に総戸数※2を乗じた金額以上の出来高の工事完了
建築工事の契約金額(税込)×出来高(%)≧ 住戸あたりの補助額※1×総戸数※2
※1 5の住宅の省エネ性能等に応じた補助額です。共同住宅等で住戸毎に住宅の性能等が異なる場合、最も高い補助額とします。
※2 戸建は、1住戸です。共同住宅等は、補助金の申請予定、省エネ性能等、床面積によらず全ての住戸です。
対象となる期間
補助金の対象となる期間は下記となります。
・工事請負契約の期間:2021年11月26日 ~ 建築着工まで
・建築着工の期間:こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降
・基礎工事の完了(工事の出来高): 建築着工 ~ 交付申請まで(遅くとも2022年10月31日)
なお、交付申請時点で工事が補助額以上の出来高に達している必要があります。(上記であれば、2022年10月31日までに基礎工事が完了)そのため、契約段階から工事のスケジュールを確認しておき、それをふまえたスケジュールで申請が可能かを確認しておく必要があります。
また手続き上、「工事着工後の補助金の予約申請」も必要となることも留意しておきましょう。
住宅性能ごとの補助額
「こどもみらい住宅支援事業」は、子育て支援及び2050年カーボンニュートラルの実現の観点から、省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図る事業です。そのため、子育て世帯や若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修等に対して補助する形になっているのです。
補助額は、住宅の性能に応じて下表の通りです。
請負契約を締結する前に、上記の住宅性能を有する設計・仕様となっているかをしっかりと確認しておきましょう。
申請方法
「こどもみらい支援事業」の交付申請等の手続きや補助金の消費者への還元は、予め「こどもみらい住宅事業者」としての登録がされている事業者が行うこととなっています。
契約・購入者の自らが申請はできませんので、事業者の申請手続きに協力を行いましょう。詳しい手続きの流れは国土交通省のこどもみらい住宅支援事業「一般消費者の方の手続きの流れ」 を参考にしてください。
出典:国土交通省 こどもみらい住宅支援事業「一般消費者の方の手続きの流れ」
グリーン住宅ポイントとの比較
出典:国土交通省 こどもみらい住宅支援事業「こどもみらい住宅支援事業の概要」
よくある質問
他の補助金との併用は可能ですか?
住宅の取得や、住宅の本体工事の全部又は一部を対象とする国の他の補助制度との併用はできません。代表的な補助制度との併用の取扱については次の通りです。
【併用可】
・すまい給付金
・住まいの復興給付金
・外構部の木質化対策支援事業
・住宅ローン減税等の税制優遇
・被災者生活再建支援制度
・解体工事への補助
【併用不可】
・地域型住宅グリーン化事業
・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業
・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化による住宅における
低炭素化促進事業
・市街地再開発事業への補助
・サステナブル建築物等先導事業
子育て世帯または若者夫婦世帯以外は対象になりませんか?
本事業の新築は、子育て世帯または若者夫婦世帯に限定し、省エネ性能等を満たす新築住宅の取得を対象としています。
国土交通省「こどもみらい住宅支援事業」の情報はどこで知ることができますか?
最新の情報はこちらでご確認ください。
まとめ
「こどもみらい支援事業」は、高い省エネルギーを有する性能住宅を子育て・若者世帯に取得していただき、将来的な省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図る事業です。
そのため、新築住宅への補助額は最大100万円と大きくなっています。ただし、住宅の性能を上げていくことは建築コストのアップにもつながるため、その効果等を確認しながら設計・仕様選定等を行っていくことも重要となります。
また予算額は542億円と予定されており、上限に達した場合には締切されることも予想されます。住宅購入をご検討されている皆さまは、この制度利用も含めて、ぜひ一度モデルハウスでご相談ください。