服の収納というのは意外に難しいもので、きれいに片づけたつもりでもいつの間にかゴチャついてしまったり、何がどこにあるのかわからなくなったりするものです。そこで、収納に関する問題点をピックアップしながら、それらの解決法について説明をしていきます。

 

服が片付かないという人の多くは当然大量の衣服を所有しています。そして、大抵はその服の数を把握していません。そこに服が片付かない一因があります。自分が片付けるべき服の総量を把握していなければ、どのように片付けるかがわからないため、まずは収納すべき服の数を数えてみましょう。しかも、総数だけでなく、種類ごとに分けてカウントすることが大切です。最初はトップスやボトムズなどに大別し、それから前者ならTシャツ、キャミソール、ジャケット、セーターなど、後者ならパンツ、ショートパンツ、ミニスカート、ロングスカートなどといった具合に細かく分類しながらそれぞれの数をカウントしていくのです。
何が何枚あるかをしっかり意識することで、どのカテゴリーの服をどこに片付けたらよいかの見当もつきやすくなります。さらに、自分の持っている服をひとつひとつ把握していく過程の中で不要な服があることに気がつき、全体の数を減らすことにもつながるのです。

 

大量の服をなんとか収納したとしても、片づけた場所がわからなくなって取り出せないのでは意味がありません。そこで、何がどこにあるのかがひと目で分かる工夫が必要です。
そのひとつとして、色ごとに並べておくという方法があります。色の情報というのは人の記憶に残りやすいため、服を探しだすときには便利です。たとえば、シャツが大量にある場合は、ハンガーに掛けたものをグラデーションになるように並べておくのです。そうすると、見た目にもおしゃれですし、整理するのが楽しくなるという効果も期待できます。もし、色分けするのが難しいという場合は、ハンガーにラベルをつけてジャンルごとに区切るというのもひとつの手です。
次に、衣類をたたんでから引き出しなどに入れる場合ですが、普通に下から上へ積み重ねていくと、どこに何があるかの把握が難しくなってしまいます。見つけやすくするには、畳んだ衣類を立てて重ねるのが賢明です。ちょうど、本を背表紙が見えるように並べるのと同じ感覚です。その上で、ポロシャツ、Tシャツ、タンクトップといった具合に種類別で並べておくと、必要なときに必要なものがとり出しやすくなります。このときに大切なのは、隙間ができたからといって、そこに別の衣類を詰め込まないことです。一気に、衣類の場所の把握が難しくなってしまいます。もし、隙間ができてなかの衣類が倒れてしまうというのであれば、ブックエンドなどを利用して支えを作ってあげましょう。
さらに、滅多に着用しないものや季節外れの衣装などは、片付ける前にグループ単位で写真を撮っておくのはいかがでしょうか。そして、写真にグループごとの収納場所を書き込み、ノートなどに貼っておくのです。そうすれば、久しぶりに取り出そうとしたときにどこにあるのかわからないといった事態を防ぐことができます。

 

衣服が豊富にあること自体はよいのですが、それも一定量を超えれば、逆にコーディネートの妨げになってしまいます。その対策として考えられるのはまず、シーズンオンとシーズンオフの収納場所を完全に分けてしまうことです。必要にない衣服が同じ場所に収納されているとコーディネートを考える際に余計な混乱を招いてしまいます。また、クローゼットの扉の内側にS字フックなどを取り付けてアクセサリーを収納できるようにしてみるのもひとつの手です。アクセサリーを手元に置いて服を選ぶと、それだけコーディネートも決まりやすくなります。さらに、衣服の組み合わせを決めるには近くに鏡があるほうが便利です。そこで、コーディネートがなかなか決まらないという人は、姿見を中心にしてクローゼットやチェストなどがその近くに配置されるように、レイアウトを工夫してみることをおすすめします。
以上のように、工夫を重ねてコーディネートをスムーズに行えるようになれば、落ち着いてファッションを楽しむ余裕も生まれ、生活に潤いが感じられるようになるのではないでしょうか。