快適な住環境を実現するために、家庭ごとにさまざまなこだわりがあったり、工夫を凝らしていたりすることでしょう。しかし、快適な住環境づくりにおいて盲点となりやすいのが洗濯機です。衣類を洗い綺麗にするものですが、実は洗濯機自体も定期的に掃除したほうがいいのです。意外と知られておらず、または知っていても面倒で掃除していない人が多くいます。そこで今回は、洗濯機の効果的な掃除方法について解説していきます。
洗濯機は案外汚れやすい!
汚れた衣類を綺麗にしてくれる洗濯機は、快適な住環境づくりになくてはならない存在だと言えるでしょう。しかし、洗濯機という電化製品は、案外汚れやすいという特徴を持っています。その理由は洗濯機の内部に、カビの生育に適した条件がそろっているからです。洗濯で使用した洗剤や石鹸などの残りカス、そして衣類に付着していた食べ残しなどは、カビの格好のエサになってしまいます。さらに洗濯槽に残る水分は、カビの繁殖に適した相対湿度75%~100%という条件を満たしてくれます。加えて20℃~30℃という温度も、カビの繁殖を促す条件となりえます。これらの条件はほとんどの家庭の洗濯機で自然と調ってしまうため、カビをはじめとした雑菌による汚れが発生してしまいます。
洗濯機を掃除しなかった場合のデメリットとは?
洗濯機は定期的に掃除をしないと、汚れがどんどん溜まっていきます。その結果、繁殖を続けたカビがワカメのような状態となって洗濯槽にこびりつき、せっかく洗った衣類に悪臭が染みついてしまうことがあります。洗濯した衣類が臭う場合、「柔軟剤が合わないのかな、部屋干しのせいかな」などと考えてしまう方もいるかもしれませんが、原因は洗濯機自体にあるというケースもあるのです。また、洗濯機の汚れが、アレルギーの原因となる可能性も考えられます。衣類に付着したカビによってアレルギー性の皮膚炎や喘息などが引き起こされるおそれがあるとされています。そうした症状を患っている方は、一度洗濯機の汚れを疑ってみたほうがいいでしょう。
フィルター類などの細かいパーツから掃除しよう
洗濯機を掃除する際、まずは乾燥フィルターや排水フィルター、洗剤投入ケースやゴミ取りネットなどの細かいパーツから綺麗にしていきます。この手順は洗濯機がドラム式でも縦型でも共通です。取り外しが可能なパーツは、できる限り取り外して掃除しましょう。しばらくぬるま湯につけてから歯ブラシなどでこすることで、簡単に綺麗にできます。もちろん、洗濯機本体側のパーツ着脱部分にも汚れが溜まっている場合があるので、そちらもしっかりチェックしましょう。
次に、パッキンの裏や洗濯槽のふちなどをタオルでこすっていきます。目に付きづらく、埃や洗剤カスなどが溜まりやすい場所なので、丁寧に拭き取りましょう。洗剤や柔軟剤がこびりついているところは、60℃くらいのお湯をかけ、溶かしてからこすります。お湯が熱すぎると火傷の危険がありますし、洗濯機の故障につながる可能性もあるので、お湯の温度にも注意が必要です。最後に洗濯槽を専用のクリーナーなどで綺麗にします。
洗濯槽の掃除には漂白剤も効果的!
洗濯槽の掃除には専用クリーナーを使うのが一般的ですが、過炭酸ナトリウムなどの漂白剤でも代用が可能です。漂白剤を使った掃除の方法ですが、まず洗濯槽に40℃~60℃程度のお湯を高水位まで溜めます。ドラム式洗濯機であれば、バケツ一杯分くらいのお湯で充分です。次に漂白剤をお湯に入れます。過炭酸ナトリウムならお湯10Lに対し50g程度の使用が目安となります。黒カビを重点的に除去したいという場合は、塩素系漂白剤の使用が効果的でしょう。塩素系漂白剤の使用量目安はお湯10Lに対し約50ccとなります。ただ、塩素系の漂白剤は、酸性の成分と混ざることで毒性の強い塩素ガスを発生させることがあります。危険なので、塩素系漂白剤と酸性タイプの漂白剤を同時に使用するのは避けましょう。お湯に漂白剤を入れたら洗濯機を3分くらい回し、その後ひと晩つけ置きします。つけ置きのあとに「洗い→すすぎ→脱水」を行えば、洗濯槽の掃除完了となります。汚れがひどい場合は「洗い→すすぎ→脱水」の工程を何度か繰り返しましょう。
こうした手順で洗濯機の掃除を定期的に行うことで、カビなどの雑菌の繁殖を防ぐことができます。せっかく洗濯した衣類に悪臭がこびりついていては台無しですから、快適な住環境を実現するためにも、洗濯機はこまめに掃除したほうがいいでしょう。