床暖房は本当に暖かく、使っていてほっと和む冬には大活躍の暖房設備です。その反面、心配になるのが光熱費です。暖かいからとあまり長時間使うと、電気代が高くなり請求書にびっくりするような額が印字されていたらどうしようと不安になることもあるのではないでしょうか。ここでは、床暖房を使ったときにかかるガス代と、ガス代を節約しながら床暖房を使う方法をお伝えします。
床暖房ってどんなもの
床暖房は言葉のまま、床が温かくなる暖房設備です。床暖房は電気をエネルギーとする電気式とガスで沸かしたお湯で温める温水式の2種類があります。どちらも蓄熱材や電熱線、ヒーター、パネルなど暖かくなる素材を床の下に設置して床自体を温めます。ここではガス式の床暖房に絞ってお伝えします。ガス式の床暖房はガスの給湯器、熱源機などの本体が温水を作り、それを床の下に設置した温水配管に流すことで、配管の上に敷かれた温水パネルを温めます。温水床暖房は、お湯が熱源となっているため柔らかな温かさが特徴だといわれています。
床暖房を使うと光熱費はどれくらいかかるのか
床暖房を入れている面積や、どれくらいの時間使ったかという面でも変わってきますが、例として8畳の部屋で1日10時間使った場合、1ヶ月で約2,574円のガス代がかかるという試算があります。この金額を割り算して1時間あたりのガス代を計算すると約8円、そして1日では約85円ですので、安いと言えるでしょう。
また、多くのガス会社が、温水床暖房を利用している人向けの選択式の料金プランを用意しています。このプランに申し込みをすると、一般ガス料金よりも安くなることが多いです。一部、ガスの使用量が少ないと一般ガス料金のほうがお得な場合がありますので、利用しているガス会社にプランの有無と料金のシミュレーションを依頼してみてはいかがでしょうか。
床暖房はつけっぱなしのほうがガス代を節約できる
とても安いガス代で温かく過ごせることがわかりましたが、更にガス代を節約するための方法があります。それは、こまめに床暖房のオン・オフを繰り返すことではなく、つけっぱなしで使うという方法です。というのも、ガスの床暖房は水をガスで温めて温水にして循環させることで床を温めます。床暖房を使う過程のどの部分で一番ガス代がかかっているかというと、水を沸かしてお湯にするときなのです。水を沸かしお湯を作るまでに約1時間かかり、このあいだにたくさんのガスを使います。しかし、すでに温水になっていれば水を沸かす必要がなく、温かさを保つ程度にガスを使えば良いのです。ガスの温水床暖房を使っていてガス代を節約したいと考えるなら、できるだけスイッチを切らず、稼働させたままにしておきましょう。
さらなるガス代節約のおすすめは地熱床システムとの組み合わせ
さらに光熱費を節約するためにガス代をおさえたいと考えるなら、地熱床システムと組み合わせることをおすすめします。
地熱床システムは、自然界の大地のしくみを利用しています。大地に触れると、夏はひんやりとしていて冬はほんのりと温かみを感じるものです。大地は太陽の熱を受けて温まり、その暖かさは地面の深いところまで浸透していて、一度温まった熱は長い時間をかけて深く浸透するため、地下の温度は夏より冬のほうが高くなります。
地熱床システムとは、住宅屋の下の地面と接する部分に砂利を敷き詰めてコンクリートで密閉することで、地面の温度が効果的に床を通じて住宅のなかに伝え、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことを目的とした住宅の施工方法なのです。また、冬場でも地熱床システムを使うと地面と床のあいだの砂利は15℃の温度を保てることが分かっています。一方、砂利が無い普通の住宅では、床下に外気が入り込んで5℃くらいまで温度が下がります。地熱床システムを使うと床下からじんわりと温かくなるメリットは見逃せないでしょう。
温水床暖房と組み合わせると、そもそもの床の温度が高いので、お湯を作るのにもそれほどガスを必要としませんし、ガス代の節約になるうえ、夏も涼しく過ごすことができます。ガスの床暖房は、ガス代が1時間8円程度と非常にリーズナブルですが、地熱床システムなどと組み合わせることにより、よりお得で快適になります。ガスの床暖房の導入を検討してみてはいかがでしょうか。