新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、テレワークという働き方が多くの企業でも導入されてきました。ニューノーマル(新しい働き方)が浸透していく中、「自宅」に求められる役割も変わってきました。
以前は通勤のことを考えると、都市部では、多少狭くても、会社や仕事先に近いエリアの人気が高かったかと思います。しかし、自宅でのテレワークが増えてきたことにより、会社や仕事先に行く日数が減ったり、通勤自体がなくなったことで、「自宅で、より快適に過ごしたい」と考える方が増えてきました。
仕事の場所を選ばない職種の方は、「自然豊かで環境が良く、少し田舎な場所で、広い家や大きな庭をもって暮らそうかな」ということで、地方での暮らしを検討され始めているようです。
都市部に住まわれている方が、地方移住をされる場合にはたくさんのメリットや魅力がありますが、同時にデメリットがあることも理解しておかなくてはいけません。
しっかりと理解した上で地方移住を検討しないと、「イメージと違ったな…」ということになりかねません。メリット・デメリットや地方移住の検討の仕方をお伝えしていきます。
地方移住のメリットは?
土地の価格が都市部に比べて、安い
郊外や地方に家を建てて移り住む最大のメリットは、土地価格が安いため、広い敷地を確保できるという点です。通勤や通学のことを考えて、都市部の住宅地に家を建てる場合、条件によっては建物価格より土地価格の方が高いということも珍しくありません。そのため、建築予算にあわせていくと住宅の面積や敷地面積を確保することがむずかしくなります。
一方、比較的土地価格の安いエリアでは同じ予算でも、広い敷地に余裕を持って家を建てることが可能となります。都市部と比べると、交通機関が少ないため、自動車が必要な場合が多くなりますが、敷地内に駐車場を確保しやすいため、車を所有するハードルも低くなります。
大きな庭があることで、お子様が庭で遊んだり、スポーツの練習をしたり、家族でバーベキューをすることもできます。さらに、家庭菜園やガーデニングも気軽に楽しむことができます。
豊かな自然でのびのび子育て、新鮮な食材も手に入りやすい
都市部と比べて、圧倒的に豊かな自然が残っているのも魅力の一つです。
スキー場やキャンプ場、自然の川など、比較的近場でアクティビティを楽しめるエリアが多くあり、日帰りで気軽に自然を満喫することができます。自然が好きな方や、お子様がいるご家庭では、そういった環境でのびのびと遊ばせることができます。
地方部での産業は農業・漁業が多くなるため、必然的に地元でとれた新鮮な食材を手に入れやすくなります。また、輸送に費用や時間がかからないため、とれたての新鮮な野菜や海産物を、安く購入することができることもメリットの一つでしょう。美味しいのはもちろんのこと、生産者の顔が見える食材は安心してご家族に食べてもらうことができます。
人が密集せず、過ごしやすい
都市部では様々な種類のお店や商業施設もあり、そういった環境は魅力的に映ります。しかし、人が集まることを避けざるを得ない環境下や、そもそも混雑している場所が疲れてしまう方にとっては、静かな地方での暮らしの方が日々の暮らしを穏やかにしてくれることでしょう。
地方移住のデメリットは?
地方移住にはメリットもたくさんありますが、一方でデメリットも存在します。良い面だけを見て移住を決めてしまうと、住んでから後悔することにもなりかねません。
買物をする場所や飲食店が少ない
地方都市でも駅前などの中心部には店舗がそろっている場合もありますが、都市部と比べると選択肢は少なくなってしまいます。飲食店の種類や、店舗での品ぞろえがどうしても少なくなってしまうことも現実です。
しかし、最近はインターネット通販の普及により、大体の商品は自宅まで届けてもらうことが可能になりました。(場所によっては少し時間もかかるかもしれません。)
都市部に住んでいても、ネット通販を利用される方が増えている中、地方のデメリットは小さくなっているのかもしれません。
地方ではマイカーが必要
電車やバスなどの公共交通機関が少なく、生活の為にマイカーが必要となる地域は多くなります。通勤や普段の買い物、子どもの送り迎えなどライフスタイルによっては、夫婦で1台ずつ車を所有しているご家庭も少なくありません。ただし、土地の価格が安く、敷地を大きく確保できるため、駐車場スペースを設けることもでき、維持費は都市部よりも抑えられます。都市部からの移住を検討されている方はマイカーの所有も検討しておきましょう。
仕事の選択肢が少ない
都市部から地方へ移住し、その地域で仕事を探そうとすると、選択肢は都市部よりも少なくなってしまうかもしれません。ご自身で店舗や事業を始めることを検討されている方も、そのエリアの人口や顧客となる企業が都市部と比べて少ないため、きちんと事前のリサーチを行っておかなければなりません。
自宅でのテレワークを前提として、地方移住を検討されている場合は、少し会社からの距離が遠くなるものの、週のうち何日かだけ通勤を少し我慢する、通勤時のみ都市部に拠点を持つなどのスタイルも選択肢の一つとなるかもしれません。
地方移住の進め方は?
どのあたりに移住するかを検討する
地方といっても、様々な場所があります。まずは、今の生活スタイルや、家族の状況などを踏まえて、移住可能なエリアを選定していきましょう。最近では、まず二拠点での生活からスタートする“お試し期間”を取られる方も少なくありません。そのエリアに住んでみて気に入れば、移住を考えていくというほうがスムーズなのかもしれません。
地方移住で住宅を計画されるのであれば、その打ち合わせ期間も含めて、移住が完了するまでの時間を取ることを前提として進めていきたいものです。
地域の気候や災害に対しての危険性を調べる
遠方だけでなく、近隣県からの移住でも、意外に気候が変わってしまうことを留意しておきましょう。土地の高度や周辺環境によっては、同じ県内でも全く気温・湿度が違うことも珍しくありません。住んでから後悔しないためにも、移住を検討しているエリアの気候はよく調べておくべきです。
また、災害に対しての危険度も調べておきましょう。地震だけでなく、水害や津波の危険性、台風や降雪の状況などもエリアによっては甚大な被害をもたらす場合があるので、市区町村のハザードマップなどで調べておきましょう。
地方移住では、勝手を知らない土地に家を建てることになるため、土地探しにはじっくりと時間をかけ、慎重に行いましょう。
自治体が行っている移住支援制度や補助金を活用する
地方移住を検討する際は、都道府県や市区町村が実施している移住支援制度や補助金などをチェックしておきましょう。自治体によっては、家づくりの費用に対する補助や引っ越しの支援制度など様々なサポートがあるため有効に活用しましょう。
<移住支援制度の事例>
まとめ
テレワークという新しい働き方が浸透してきた今だからこそ、都市部に住まわれている方が郊外や地方への移住を選択できる時代になってきました。豊かな自然や美味しい食べ物など魅力的なところばかりに目が行きがちな地方移住ですが、デメリットや注意すべきポイントもあることを理解し、色々な情報を調べて、検討しましょう。
地方移住の土地探しや家づくりについては、一般的な進め方よりも時間と注意が必要となります。移住を希望される地域の住宅会社にご相談されることをオススメします。