関東北部に位置し、茨城県や埼玉県と隣接する栃木県。県内には日光や那須塩原といったリゾート地があり、また地元ならではのグルメもあって観光地として人気です。そんな栃木県にマイホームを持つなら、どのエリアがおすすめなのでしょうか。今回はマイホーム購入を検討している若い夫婦のために、栃木県の中でも住みやすいと評判の都市をピックアップして紹介します。
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東京に出やすく通勤が楽な栃木県
茨城県、群馬県とともに北関東を構成する栃木県は、内陸県であり県内の約55%を森林が占めています。東部の八溝山地には標高300~1000m程度の比較的なだらかな山々が連なり、やがて阿武隈高地へと続いていきます。北部から西部にかけては下野山地や那須連山、足尾山地が並ぶ山岳地帯で、東部とは違った景色が広がっています。特に日光連山には標高2000mを超える火山が連なり、滝や湖沼もあちこちにあって観光資源に事欠きません。この地域は大部分が日光国立公園もしくは尾瀬国立公園に指定されており、その美しい風景を守るために自然保護施策がとられているエリアもあります。
県中央部は渡良瀬川、鬼怒川、そして那珂川が流れる平野部です。このエリアは住宅街として開発が進められており、首都圏の一角をなしています。人口は約195万人(2018年4月現在)、そのうちの多くが県庁所在地のある宇都宮市に集まっています。県内では豊かな自然を活かして農業が盛んであり、イチゴや水稲、かんぴょう、梨などが名産として知られています。農業だけでなく工業にも力を入れており、大手メーカーの本社や工場の誘致に努めています。商業も盛んで、県内には佐野プレミアムアウトレットなどの大型商業施設やイオンモールが点在しているので、買い物に不便することはないでしょう。
JR宇都宮線が通っており、上野東京ラインに乗れば東京まで1時間ほどで行くことができるので通勤にも便利です。東北自動車道、北関東自動車道、そして圏央道が整備されており、車であちこちへアクセスできるのも特徴です。交通の便が良く県内の産業も盛んな栃木県ですが、首都圏の中では地価が安く若い世代のファミリーでも購入を検討しやすいエリアです。通勤や買い物に便利で、かつ休日の楽しみもいろいろあるので、子育て世代のファミリーにはぴったりの地域かもしれません。
業施設や飲食店が多い宇都宮市
県庁所在地のある宇都宮市には50万人以上の市民が生活しており、それだけに商業が盛んです。JR宇都宮駅の駅前にある「ララスクエア宇都宮」はファッションフロアや飲食フロアが充実、また家電量販店や100円ショップもあるので日常に必要な買い物をここだけで済ませることができます。駅から少し離れると映画館や温泉の入るショッピングモール、専門店が多く並ぶ百貨店などもあり、休日のショッピングにおすすめです。ほかには全天候対応のアーケード商店街もあり、宇都宮ならではの買い物が楽しめます。
市街地には路線バスが多く運行しており、車がなくても商業施設へ足を運ぶことができます。通勤通学の帰り道に寄ることもできるので非常に便利です。バスだけでなく電車も充実しており、JR宇都宮駅には東北新幹線、東北本線、日光線が乗り入れています。東北本線の湘南新宿ラインに乗れば池袋や新宿まで1本で行くことができますし、上野東京ラインに乗れば上野や東京までスムーズに移動ができます。それぞれ1時間程度で都心と宇都宮を結んでいるので、都心のオフィスや大学へも通いやすいといえるでしょう。
人口数が増加傾向のさくら市
さくら市は「平成の大合併」により、氏家町と喜連川(きつれがわ)町が合併して発足した都市です。栃木県の中央部に位置し、古くから交通の要衝として栄えてきました。市内には喜連川城や勝山城、鬼怒川堤防など桜の名所が多く、毎年春になると美しい風景が広がります。地域の住民にとっては親しみのある花であり、市の名前はここから名づけられました。
宇都宮市までは電車で約15分、栃木県内の主要都市までは1時間圏内です。都心までなら1時間半で移動できるので通勤にも便利です。市内には商業施設があるのはもちろん、公園やスポーツ施設、教育施設、そして医療施設もあるので、日々の暮らしに必要なものは整っているといえます。豊かな自然と利便性を兼ね備えており、住みやすいエリアとして人気が上昇、人口と世帯数はともに増加傾向にあります。
子育て世代のママに人気の小山市
栃木県の南に位置する小山市は子育て世代に人気のエリアです。その理由のひとつには、市の子育て支援が充実していることが挙げられます。2013年に開設された小山市子育て支援総合センターでは保育園や子どもの一時預かりがあるだけでなく、子育ての相談ができる「相談室ほほえみ」や相互援助のための「ファミリーサポートセンター」などがあり、子育てにまつわる情報や施設が充実しています。そのおかげで子育て世代が集まる傾向にあるので、ママ友がつくりやすいのもうれしいポイントでしょう。
都心へのアクセスがいいのも小山市の特徴です。東北新幹線が通っており、東京まで最短で約40分で移動することができます。在来線でもJR宇都宮線の湘南新宿ラインもしくは上野東京ラインに乗れば新宿や池袋など都内各地へ1時間ちょっとで行けるため、子どもが大きくなって都心の大学へ通うことになっても安心です。市外から小山市へ転居してくる人は、一定の条件を満たせば住宅取得支援補助金を受け取ることもできるので、これからマイホームを建てる人には検討に値する都市でしょう。
子育てに関する支援が手厚い栃木市
栃木市もまた「平成の大合併」で新たに生まれた都市であり、栃木県の南部に位置します。県立の自然公園があるなど緑豊かなエリアである一方、都心まで電車もしくは車で1時間という利便性もあります。そんな栃木市もまた子育て世代におすすめの都市です。栃木市役所には「子育て支援課」が開設されており、子育てに関する市の公的支援制度が充実しているためです。例えば栃木市内に在住している中学3年生までの子どもは、健康保険が適用される医療費はすべて無料です。また子育て支援センターでは親子で参加できるイベントが多く開催され、相談窓口が設置されています。また、教育施設や小児科医院といった子育てに必要な施設も点在しており、子どもを育てるママやパパへのバックアップ体制が整備されているといえるでしょう。
広大な自然と都会のどちらも味わえる佐野市
佐野市というと「佐野プレミアムアウトレット」を思い浮かべる人は少なくないでしょう。同施設は有名ブランドのショップだけでなくキッズファッションや飲食店も充実しており、子ども連れでも楽しめます。また、アウトレット以外にも佐野市には大型スーパーや商業施設が点在しており、日用品の買い物に困ることはありません。一方で、市の北部へ行けば唐沢山や安蘇山(あそやま)といった山々が広がっており、豊かな自然を享受することができます。都会すぎず田舎すぎず、バランスのとれた環境でのびのびと子育てしたい人にはぴったりのエリアです。
子育てに関する公的支援も充実しています。中学3年生までは医療費無料、また妊産婦の医療費の助成も行っています。条件を満たせば第3子以降の子どもが生まれた場合には1人につき10万円が支給され、さらに第3子以降の子どもが保育園に入園するときには保育料が免除となります。市独自の奨学生制度が設けられていたり、学童クラブが充実していたりと、子どもの学校生活をサポートする制度もあるので安心して子育てができるでしょう。
自然と文化の観光都市は子育て支援も充実日光市
日光市は栃木県の北西部に位置し、西は群馬県、北は福島県と接しています。景勝地や旧跡など、観光資源が豊富な歴史深い都市であり、国内外から多くの観光客が訪れます。国宝で世界遺産でもある「日光東照宮」は、日本を代表する絢爛豪華な社寺の1つです。他にも、雄大な華厳の滝、温泉やライン下りが魅力の鬼怒川、ニホンザルで有名な紅葉スポットのいろは坂、トロッコ電車の足尾銅山などが有名です。鬼怒川金谷ホテルのルーツである外国人向け宿泊施設「カッテージ・イン」は、日本におけるホテルの起源の1つであるといわれています。
古くから観光地として栄えてきた土地だけに、バリエーション豊富な鉄道が乗り入れています。東京へのアクセスに便利なJR東日本・東武鉄道、日光と会津地方をつなぐ野岩鉄道、渡良瀬川の渓谷に沿って走る、わたらせ渓谷鉄道と、4つの路線が走っています。また、多くの一級河川が流れる水の豊富な土地柄から、各地の川で水力発電が行われています。
風光明媚でのびのびとした環境の日光市は、子育て支援も充実しています。0歳から1歳の子どもがいる家庭には総額3万円分の「すくすく赤ちゃん券」が支給され、育児用品やファミリーサポートを受けることができます。そして、子どもの医療費もなんと0歳から18歳まで自己負担額が無料です。子育て世代の負担を減らすため、保育園・幼稚園の保育料が第2子は半額、第3子以降は無料になるのもうれしいところです。
自然との調和が取れた田園工業都市 大田原市
大田原市は、栃木県の北東部にある自然に囲まれたエリアです。人口はおよそ7万人で、約2万9000世帯が暮らしています(2018年6月時点)。医療機器や電子部品の製造業が盛んで、野崎工業団地や野崎第二工業団地では数多くの企業が工場を構えているのが特徴です。大田原市には鉄道がほとんどなく、市内にある鉄道駅はJR野崎駅だけです。そのため、交通手段としてマイカーを用いる人が多く、車の運転ができない子どもや高齢者などはバスを利用しています。市内のバス網は充実しているので、通勤や通学はもちろん病院やショッピングの際にマイカーがなくても支障はないでしょう。
県庁所在地である宇都宮までは車で片道1時間ほどです。東武宇都宮百貨店や大型チェーン店舗が郊外に展開しているので、食料品から衣料品まで買い物を一度に済ませることができます。また、栃木県水産試験場に併設されている「なかがわ水遊園」は、アスレチック・釣り堀・水遊び場などがあり小さな子どもがいるファミリーにぴったりのレジャースポットです。さらに、2012年10月からは大田原市立学校の給食完全無料化が実施され、小中学校に通う子どもがいる家庭の負担が軽減されています。
景色に癒される風光明媚な福祉都市 足利市
足利市は、栃木県南西部に位置し、およそ6万1000世帯で約14万人の人々が暮らしています(2018年7月時点)。市街地の中心を一級河川である渡良瀬川が流れているので、風光明媚な景色に癒されることでしょう。映画やドラマのロケ地としても有名で、地元住民はもちろん観光客も数多く足を運ぶスポットとして知られています。映像を通じて地域の活性化を図ろうという目的で、「映像の街あしかが構想」も進行中です。市内には足利大学があり、若い世代が多く住んでいるのも特徴です。JR両毛線と東武伊勢崎線が市内のメインとなる鉄道で、北千住駅まで乗り換えをせずに約60分でアクセスできます。
足利市は、日本最古の学校といわれる「足利学校」が生まれた街でもあります。さらに、藤の名所である「あしかがフラワーパーク」やスポーツメーカーとして知られる「アキレス」や「レンタルのニッケン」の創業地としても有名です。そのため、さまざまな分野で注目を集めているエリアといえるでしょう。また、健康・いきがい・賑わいの3つを目標とした「スマートウェルネスあしかが推進事業」、父子家庭の支援を目的とした父子家庭巡回指導員の配置も行っています。福祉にも力を入れている地域なので、安心して暮らせるでしょう。
都心への通勤時間を短縮するならエリアを厳選しよう
栃木県は美しい自然に囲まれる一方、県内にはスーパーや大型商業施設があちこちにあり、生活にとても便利です。交通網も発達しているので日々の暮らしに困ることは少ないでしょう。また都心へのアクセスがよく、場所を選べば1時間で東京まで出ることができます。通勤通学に便利ですので、子育て世代にも検討しやすいエリアといえます。同じ首都圏と比べて地価が安いという特徴もあります。埼玉や東京でマイホーム購入を考えている人、勤務先が東京や埼玉の人は、一度検討してみてはいかがでしょうか。