建設予定地に住宅を建てようとしたとき、軟弱な地盤の場合には住宅の重みに耐えられるような地盤にするための地盤改良工事が必要となります。そのため、土地の取得費用や住宅建設費用と合わせて、地盤改良工事の費用も予算として考えておくことが大切です。地盤改良の工法の違いによっては、必要となる費用も変わってきますので、実際に地盤改良を行うときにどれくらいの費用が必要となるのかを詳しく見ていきましょう。

 

そもそも地盤改良（補強）工事が必要な理由

 

 

住宅の建設予定地に地盤改良が必要となるかは、実際に地盤調査をしてみなければ分かりません。隣接する土地に地盤改良の必要がなかったとしても、自分の土地に必要が無いとは言い切れないからです。住宅の建設予定地の四隅と土地の中心の5箇所は最低でも調査をする必要があります。ですから、新たに住宅を建てる時には地盤改良が必要になることを見越して、予め資金の計画を組んでおくことが大事になります。地盤の改良工事は工法によって費用も異なるため、あらかじめそれぞれの工法にかかる費用も念頭に置いておくのが大切です。地盤調査や地盤改良を疎かにしてしまって、住宅を建設した後に問題が発覚してしまっては、最悪の場合には住むことを継続することが困難になってしまう可能性もあります。後々のトラブルを避けるためにも、住宅建設前に地盤改良が必要かどうかはしっかりと見極めておきましょう。すでに建っている住宅がある土地を取得した場合には、いったん解体してから地盤調査を行う必要があることも注意しておきましょう。

 地盤改良（補強）工事の具体的な方法とかかる費用

 

地盤改良の具体的な方法としては、「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」の3つの工法があげられます。
◆表層改良工法・・・軟弱だと思われる地盤が深度2メートル以下の時に行われる工法です。工事にかかる日数は1日～2日程度で済み、工事費用も1坪あたり2万円程度で済みます。
◆柱状改良工法・・・軟弱だと思われる地盤が2メートル～8メートルのときに行われる工法です。地中にコンクリートの柱を建てる工法で工期は1週間程度かかり、費用としては1坪あたり5万円程度かかります。
◆鋼管杭工法・・・地中に鉄製の杭を打ち込む工法で深度30メートルまでの工事が可能です。工期は1日～2日ほどで、費用は1坪あたり5万円～7万円ほどかかります。

 

強い土地を選ぶことが肝心！地盤改良のいらないケース

土地の地盤改良工事が必要な場合には100万円～150万円程の費用がかかることが多くあります。そのため、そもそも住宅を建築する土地が地盤改良のいらない土地を選ぶことも重要です。地盤の強い土地であれば、地震のリスクを減らすこともできるので、意識的に地盤の強い土地を選びたいものです。地盤の強い土地を見極める1つの基準として「標高」が重要になってきます。一般的に標高の高い土地は地盤が強く、低くなるにつれて地盤は弱くなる傾向にあります。田んぼや沼、川や池などの水が関係する土地は地盤が弱いのも特徴です。一方で、昔から神社仏閣がある土地は地盤が強固な傾向があります。国土地理院「国土変遷アーカイブ空中写真閲覧」を見ると、その土地の昔の姿を見ることができるので活用してみるのも1つの方法です。

国土地理院：http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do#1

 

地盤改良（補強）工事の費用をきちんと予算に組み込むことが大切

 

安心した住まいを手に入れるためには、しっかりとした地盤に住宅を建設することが大切です。新たに住宅を建設するときには、どうしても家のことばかりに目が向いてしまいがちですが、土地のことにも意識を向けることが安心した住まいを手に入れるためには重要なことです。住宅の建設費用・土地の取得費用とあわせて、地盤改良の費用を予算にきちんと組み込んでおくようにしましょう。地盤調査の結果次第で必要な工法は変わってくるので、念のため最大幅の費用を意識しておくと無難です。後々のトラブルを避けるためにも、事前に住宅会社との打ち合わせを綿密に行っておきましょう。