消費税増税によって住宅購入時にかかる費用は大きくなってしまいます。それを補うために住宅ローン減税が導入されましたが、これは所得税を減らすというものなので、所得が低い人ほど恩恵は少なくなります。そこで、所得の低い人には給付金を交付する「すまい給付金」が設けられました。
すまい給付金の対象となる住宅の条件は?
すまい給付金の給付を受けるにはさまざまな条件を満たす必要があります。住宅自体に課される条件は3つです。1つ目は、引き上げ後の消費税率が適用される住宅であること。この条件を満たせない例としては、消費税がかからない個人間の売買で入手した住宅や、消費税5%のときに購入した住宅などです。消費税の引き上げによる負担を軽減するためなので、このような条件が設けられています。2つ目は、床面積が50平方メートル以上であること。中古住宅の場合は、これに加えて耐震基準も満たす必要があります。最後の条件は、第三者機関の検査を受けた住宅であることです。新築は施工中に、中古は売買時に検査を受けて一定の品質が保証されている必要があります。また、住宅ローンを利用しない場合は、フラット35Sの性能基準を満たすという条件が追加されます。品質基準を設けるのは、すまい給付金には日本に良質な住宅を増やすという目的もあるからです。
すまい給付金の対象者となるためには?
住宅に関する条件だけでなく住む人にも条件が課されます。その条件とは、給付を申請する住宅の登記上の持ち主であること、その住宅に住んでいること、収入が一定以下であること、の3つです。住宅の所有権の登記は任意なので忘れている方もいるかもしれませんが、きちんと登記しておきましょう。その住宅に住んでいるかどうかは、住民票によって確認されます。収入基準は一定ものがあるわけではなく、家族構成によって変化します。妻の収入がなくて夫婦と中学生以下の子どもが2人という家庭を標準としたとき、消費税が8%のときは510万円以下、10%のときは775万円以下が収入基準となります。家族構成が違えば基準も変わるので確認が必要です。住宅の条件と同様に、住宅ローンを利用しない場合は条件が追加されます。追加される条件は年齢が50歳以上であることです。そして、消費税が10%のときに購入した場合は、収入が650万円以下という条件も追加されます。(これも標準世帯の場合なので家族構成によって変化します。)
すまい給付金の申請方法について
すまい給付金は、購入した住宅に住み始めた後に給付申請書と確認書類を作成することで申請できます。給付申請書と確認書類は、全国のすまい給付金申請窓口に持っていくか、すまい給付金事務局へ郵送します。申請期限は住宅の取得から1年以内です。(明確な期限は定められていませんが、当面の間は1年3カ月となっています。)申請内容に不備がないと確認されたら、指定の口座に給付金が振り込まれます。給付金受領までは1カ月半から2カ月程度とされていますが、少し遅れる場合もあるので余裕を持って申請しましょう。
ちなみに、住宅の購入契約をする際に、住宅事業者が給付金を代理受領することを双方が合意するという「すまい給付金代理受領特約」を結んでおけば、住宅事業者が給付金を受け取って住宅代金に充てることもできます。手続きも住宅事業者が代理できるので、手間を減らしたい方は契約時に特約を結ぶと良いでしょう。
すまい給付金の実施期間は平成33年12月まで!
消費税増税は2019年10月まで延期されましたが、いずれ増税される予定です。所得に占める食費などの割合が大きい低所得層ほど、消費税増税の負担は大きくなってしまいます。住宅を買おうと考えている方は、住宅ローン減税とすまい給付金の両方を利用してより費用を抑えるのが得策です。すまい給付金は平成26年4月以降に引き渡されて平成33年12月までに入居した住宅に限るので、それまでに住宅を購入する予定のある方はすまい給付金の条件と申請方法を頭に入れておくとスムーズに申請できるでしょう。