住宅を購入する場合、すべて自己資金で支払えるケースはそれほど多くありません。そのため、多くの人は住宅ローンを利用することになります。しかし、住宅ローンにはいくつかのタイプがあり、どれにするか迷ってしまう人もいるでしょう。そこで、住宅ローンのタイプとそれぞれの特徴、自分に適した住宅ローンの選び方などについてお伝えします。
変動金利と長期固定金利を比較
変動金利タイプの住宅ローンとは、返済期間中の適用金利が6カ月ごとに変動するタイプのものです。代表的な短期金利である短期プライムレートが上下するとそれに連動して適用金利が変化し、返済金額は5年後ごとに見直されるのが一般的です。金利の変動リスクは借主が負担することになりますが、返済期間中に市場金利が低下すると金利負担が減るメリットもあります。一方、固定金利タイプの住宅ローンは、返済期間中の適用金利が最初から最後まで変わらない点が特徴です。長期固定金利タイプとしては最大35年間の固定金利が適用されるフラット35が有名です。住宅ローンを借りたあとに市場金利が上昇しても金利負担が増えることがなく安心であること、借りた時点で返済総額を確定できることなどのメリットがあります。金利変動リスクは貸主である金融機関が負担することになります。
変動金利と固定金利を組み合わせた住宅ローンも
変動金利タイプと固定金利タイプの住宅ローンにはそれぞれ違ったメリットがあります。特に、市場金利の変動に対するメリット・デメリットは逆になりますので、金利動向が予想できれば、金利が上昇する場合は固定金利タイプが有利になり、金利が低下する場合は変動金利が有利といった形で有利不利を判断できます。しかし、将来の金利動向を正確に予測することはできないため、どちらのタイプの住宅ローンを利用するかは悩むところです。そういった場合は、変動と固定を組み合わせた住宅ローンを利用するのも1つの選択肢です。一定期間固定金利選択タイプの住宅ローンがそれにあたります。2年、3年、5年もしくは10年間などの一定期間固定金利が続き、そのあとで変動金利に切り替えるか固定金利を選び直すことができるという特徴があります。変動、固定だけでなく一定期間固定金利選択タイプの住宅ローンの存在も知っておきましょう。
頭金の額や家族構成・年齢によっておすすめの住宅ローンは変わる
どんなタイプの住宅ローンを借りるかについては、将来の金利動向だけでなく、借りる人が用意できる頭金の額や家族構成、そして年齢などによっても変わってきます。例えば、多額の頭金を用意することによって住宅ローンを利用する額を抑えることができる人は、家計に占める住宅ローンの返済負担が少なくて済みます。そういった場合は、将来の金利上昇リスクにもある程度耐えられる可能性がありますので、短期金利が基準となる低金利の変動金利タイプの住宅ローンを利用する方がよいかもしれません。また、若い世帯で子どもの人数が増える可能性がある場合などは、リスクを確定させておくことを優先して固定金利タイプの住宅ローンを選ぶのが有効になるケースもあると考えられます。
自分のライフプランに合わせた住宅ローンを
初めて住宅を購入する場合は、住宅ローンの活用も未経験ということになります。そのため、住宅ローンに関する知識も不足していることもありえます。まずはどんなタイプの住宅ローンがあるのか、それぞれのタイプの特徴やメリット・デメリットを正確に理解することが大切です。その上で、自分のライフプランに適した住宅ローンを選ぶようにしましょう。どの程度頭金を貯めたのか、将来の家族構成の予測、耐えられるリスクなどを冷戦に判断した上で変動金利タイプや固定金利タイプ、もしくは一定期間固定金利選択タイプからどれを選ぶのかを判断することをおすすめします。