医療や福祉、道路の整備といった国や地方公共団体が行うさまざまな活動の財源となるのが税金です。消費税のように毎日の生活の中で随時支払う税金もありますが、1年に1度課せられる税金を決められた納付期限に支払う税金もあります。固定資産税がその一例です。固定資産税はマイホームを持ちたいと考えた時には忘れてはいけない税金となります。そこで、固定資産税についての基本的な知識についてご案内します。
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まずは基本をおさえておきたい!固定資産税って何?
固定資産税とは建物や土地のような動かない固定された資産について支払う税金のことをいいます。法人や個人事業主が事業のために所有している構築物や機械、車両、器具、備品といった償却資産にも課されることになっています。固定資産税は毎年1月1日に課税庁である地方自治体により税額が算出され、その持ち主に課されるものです。あくまでも所有者が支払う税金であるため、アパートやマンション、貸家等を借りて住んでいる人には課されません。支払いを義務付けられている納税者はアパートなどを所有し、貸している家主となります。土地や建物が日本国内にあれば、どの場所にあり、どのような形であっても原則、課されるのが固定資産税の決まりです。
納税者になったら知っておきたい!固定資産税の支払い方法
課される税金は賦課(ふか)課税制度により納税通知書で納税者に通知されます。マイホームを手に入れるために土地や住宅の購入や建築をした場合には、通常、納税通知書が送られてきます。マイホームを持つ場合、土地と住宅の両方が必要となります。土地と住宅の両方の所有者となり同時期に購入しても、課税のための評価額は土地と建物で別々に評価されます。また、土地と建物の持ち主が別の人である場合には納税通知書はそれぞれ別々に送られることになるのです。通知書が送られてきたら通知書に記載されている内容に基づき指定された期限内に固定資産税の納付を行うこととなります。納付期限は市町村ごとに決めることが認められているため、地域によって詳細な日は異なる場合もありますが、1年分を4期に分けて分割で支払うことが一般的です。市町村によっては第1期に一括支払いを行うことが可能となるところもあります。支払い方法は金融機関やコンビニの窓口、口座振替のほか、ATMやインターネットバンキング、クレジットカードによる支払いに対応した市町村もあるのです。
軽減措置もある!土地にかかる固定資産税
土地といっても、その用途によりいくつかの種類に分けられます。畑や田、公園、山林、墓地といった地目による分類で分けられ、立地条件とともに土地の評価額に影響を与えているのです。建物を建てるための土地は宅地と呼ばれます。宅地はさまざまな用途を持つ土地の中でも税金が高くなる地目です。利便性の良い立地条件に建っている場合には特に高くなります。ただし、土地の固定資産税は、住宅を建てることを目的とした宅地に限り、住宅用地の特例措置が適用されます。たとえば小規模中宅用地であれば住宅1戸につき200平方メートルの部分について価格の6分の1に軽減されるのです。200平方メートルを超える部分については3分の1に軽減されます。ただし、適用には条件があり、広い土地では適用されない場合もあるため注意が必要です。
家の価値は何で決まる?住宅にかかる税金
土地は基本的に時間とともに古くなるといった考えはありませんが、建物は時間の経過とともに劣化します。また、土地と同時期に購入したり建築したりしても、その後リフォームや立て直しをするケースもあるのです。このため建物は土地とは別に評価されています。住宅への税額の評価の目安となるのは建物の古さから判断される家の価値です。建物が古くなればなるほど税額は下がります。そして家の価値が現在どれくらいであるのかという視点から税額が判断されるため、耐久性のよいRC造の建物は木造に比べると最初から税金が高くなってしまうことが一般的となっています。ただし、長期優良住宅の認定を得て新築住宅を建てた場合には期間限定で軽減措置があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
事前に知っておけば安心!固定資産税も考慮したマイホーム計画
固定資産税は土地を購入したり、家を建てたりした場合に支払い続けることが必要となる税金です。ただし、条件に合えば軽減措置が適用される場合もあります。家を建てることを検討している人は、土地の購入や家の建築などについての費用だけ考えるのではなく、長期的に関わる税金についても考慮し、計画的なマイホーム造りを心がけておくと安心です。