収納スペースの多さや使い勝手のよさは、その家の快適さに大いに関係しています。収納スペースが少ないと物が生活空間に溢れ出てきて、知らないうちに家が狭くなりがちです。見栄えもよくありません。適切な収納は家を広く、快適に使うためには欠かせない存在といえるでしょう。それでは、どのような収納スペースがあれば快適な家は作れるのでしょうか。ここでは、注文住宅を建てる際に検討したい収納スペースについて紹介します。
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注文住宅で設置したい収納1.パントリー
キッチン周りは、家の中でももっとも収納に気を使いたいスペースといえるでしょう。毎日さまざまな道具や材料を使ううえに、材料の出入りも頻繁です。短いスパンで物が増えたり減ったりするキッチンでは、買い物で一時的に物が増えたときに収納が不足しがちです。そのため、キッチンの収納を考えるうえでは、使いやすさはもちろんのこと、一度に多くの量を収納できることも重要になってきます。キッチンスペースの収納を増やすために設置したいのが、パントリーです。パントリーとは、食料品やキッチン用具などを収納するためのスペースのことです。キッチンの一部分、あるいはキッチンに隣接する形で設けられます。
パントリーに普段あまり使わない調理器具や什器、それに保存食品などを置くことで、キッチンには日常的に使うものだけを収納するスペースがあれば十分になります。キッチン内がすっきりし、余計な物がなくなり、使い勝手もよくなることでしょう。パントリーを設置することで収納量が増えるだけでなく、キッチンの快適さも増すのです。
注文住宅で設置したい収納2.玄関収納
住宅の顔といえば玄関でしょう。玄関は家族が日頃出入りをする場所というだけでなく、お客様を最初に迎える場所でもあります。それだけに、いつも清潔で整理整頓が行き届いた状態にしておきたいものです。しかし、玄関は物が溢れやすい場所でもあります。家族の数に合わせて靴が増えるだけではありません。ベビーカーやゴルフバッグ、傘なども、他に置き場所が見つからないためについ玄関に置いてしまいがちです。結果として、玄関が狭く使いにくくなってしまいます。
このような問題を解消するのが玄関収納です。靴を履いたまま入れるシューズインクローゼットを玄関脇に設置することで、こうした物をまとめて収納することができます。もちろん、ついつい増えてしまいがちな靴もたっぷり収納することができます。玄関周辺で余ってしまった空間を上手に活用する方法としても魅力的です。シューズインクローゼットには空間の有効活用と大容量の収納スペースという、2つの大きなメリットがあるのです。
注文住宅で設置したい収納3.ウォークインクローゼット
ひとつの場所に大量の衣類を収納できるウォークインクローゼットも、注文住宅を建てる際に設置を検討したい収納スペースといえます。ウォークインクローゼットを設置するメリットはたくさんあります。第一に、広い空間に多くの衣類を一度に収納できるという点が挙げられます。一箇所にまとまっていることで、目当ての物を見つけるのにあちこち探し回らなくて済むという点もあるでしょう。日当たりを気にする必要がないのもメリットといえます。衣類の場合、直射日光が当たらない場所に保管するのが望ましいため、日当たりが悪く部屋としては使いにくい場所を有効活用することが可能です。
ウォークインクローゼットは部屋タイプだけでなく、通り抜け可能なタイプもあります。通り抜けができるタイプであれば、通路スペースとクローゼットを兼ねた使い方が可能です。とはいえ、部屋タイプに比べると収納スペースは狭くなりがちです。また、物を置きすぎてしまうと通行の邪魔になってしまう点にも気をつけなければなりません。
注文住宅で設置したい収納4.壁面収納
部屋を広く活用したいのなら、壁面収納は欠かすことができない存在です。壁面収納のメリットは、デザイン性と収納力の両立にあります。部屋のデザイン性を損なうことなく多くの物を収納できるので、物で溢れがちなリビングやキッチンなどに設置されていると便利です。壁面収納を設置する際のポイントは、奥行きを広くしすぎないことと収納する物をあらかじめ想定しておくことです。奥行きが広すぎてしまうと、しまいにくく取り出しにくい収納になってしまうだけでなく、生活空間にせり出してきて、圧迫感が生まれてしまいます。開き戸タイプの場合、その分のスペースも確保する必要があります。壁面収納を設置した結果、生活空間が狭くなってしまった、なんてことにならないように気をつけましょう。
何を収納するかも大切なポイントです。壁面収納は収納するアイテムによって、扉の有無や形状を変えることになります。キッチンに壁面収納を設置する場合を考えてみましょう。よく使う物を収納する腰から胸の高さには、扉をつけず使いやすさを重視します。反対にあまり使わない物を収納する足元や頭上には、扉をつけて隠す収納として使うとよいでしょう。壁面収納は漫然と設置してしまうと使いにくくなってしまいます。場所や収納するアイテムをしっかりと考えたうえで、設置するようにしましょう。
使いやすい動線は生活動線とセットで考える
収納スペースは、設置すればそれだけで家が片付くというものではありません。注文住宅の場合、自分で好きな場所に収納スペースを作ることができます。しかし、作る場所や広さを間違えると、利用しにくい収納となり、最終的に使われないデッドスペースとなってしまうこともあります。使いやすい収納にするためには、生活動線とセットで考えることが大切です。生活動線としまう物を意識して収納場所を決めることで、使いやすい収納にすることができます。
ウォークインクローゼットを例に考えてみましょう。朝起きて仕事に出かける場合、起床、着替え、食事、洗面などを行います。どのような順番で行うかは人それぞれでしょうが、一連の流れをいかにスムーズに行えるかが大切です。起きて着替えてから食事をする人と、食事をしてから着替える人とでは、どこにウォークインクローゼットがあれば便利かは違ってきます。寝室が2階、リビングが1階にある場合、前者では寝室に隣接する形でウォークインクローゼットがあるのが望ましいでしょう。後者の場合は、リビングから洗面台に至る途中にウォークインクローゼットがあると快適に感じられるはずです。この場合は洗濯機も近くにある可能性が高く、洗濯という生活動線上も便利になります。自分たちの生活動線をしっかりと観察することで、使いやすい収納を作ることができるのです。
あると便利な収納!一度検討してみて
収納は決して目立つものではありません。むしろ多くの物を目立たないように隠し、収めることに存在意義があるということもできるでしょう。まさに縁の下の力持ちともいえる存在です。それだけに、注文住宅を建てる際には、目立たないからといっておざなりにするのではなく、他の場所以上にしっかりと検討することが大切です。きちんと考えられた収納があれば、家は自然と片付きますし、生活空間を広く使うことができます。反対に収納が使いにくいと、散らかりやすく雑然とした印象を与える家となってしまうでしょう。
使いやすい収納の有無は、その家の快適さを左右するものです。今回紹介した収納は、ほんの一例です。使いやすい収納には、生活習慣や生活動線が大きく関係しています。車を持っていない人が駐車スペースを必要としないように、収納も所持している物によって求められるものが変わってきます。自分たちの生活スタイルに合った収納を見つけましょう。