ファッショナブルなキッチンに憧れる人は少なくありません。「男子厨房に入らず」はもはや過去のものとなり、家族みんなが集まれるオープンキッチンも珍しくなくなりました。デザインのバリエーションも豊富で、機能性は飛躍的に進化しています。そんなキッチン選びに失敗しないためには、種類や特徴を知っておくことが大切です。
知っておきたいキッチンの種類
キッチンの種類は、クローズ型(壁つけ型)とオープン型(対面型)に分けられます。
従来はクローズキッチンが一般的でしたが、オープンキッチンも多く見られるようになりました。料理中も子どもの様子が分かり、家族とコミュニケーションが取りやすいのが人気の秘密です。しかしオープンキッチンでは匂いや油ハネが広がりやすく、作業する音がリビングまで響くこともあります。またキッチンの様子が丸見えのため、清潔にしておかないと見苦しくなるでしょう。
一方クローズキッチンでは家族とコミュニケーションが取りにくいものの、料理に集中するにはよい環境であり、匂いや音が他のエリアに及びにくいのも魅力です。どちらの型にも一長一短あるので、生活スタイルや価値観に合ったキッチンを選ぶと良いでしょう。
オープンキッチンはさらに5つの種類に分けられます。
1)アイランド型
アイランド型キッチンは壁と接することなく島のように独立したキッチンで、解放感があり家族で料理を楽しめるでしょう。
ただし設置には広いスペースが必要となり、油ハネや匂いが拡散しやすく、常にきれいにしておくことが求められます。キッチン周りを自由に動き回れるのはアイランド型の魅力ですが、小さな子どもが不意に近づいてきた場合には火傷やケガをするリスクもあります。
2)ペニンシュラ型
アイランド型キッチンの片側だけを壁に接触させたのが、ペニンシュラ型(半島型)キッチンです。
アイランド型より間取りの制限を受けにくく、壁に換気扇を設置することで油ハネや匂いの拡散を抑えられます。オープンキッチンとクローズキッチンの良いところを合わせたバランスタイプと言えるでしょう。
3)セミオープン型
セミオープン型キッチンはI型キッチンとも呼ばれ、コンロからシンクまでが一直線になっているタイプです。
キッチンの前に腰壁というカウンターを設置すると、キッチン内部が外から見えにくくなります。
4)L字型
L字型キッチンはその名の通りL字型のキッチンで、作業スペースを広くとれることが最大の魅力です。逆に言えば広いスペースを必要とするため、リビングやダイニングを圧迫する可能性があります。
5)セパレート型
セパレート型はシンクとコンロが別々になっており、複数人で作業しやすいのが特徴です。ただしシンクで洗った材料や鍋をコンロに移動する際には、通路に水滴が落ちやすくなります。
キッチンの種類は形状だけでなく、素材によっても分けられます。キッチンは天板(ワークトップ)やキャビネット、シンクなどに多種多様の素材を使っており、それぞれに特徴があります。ステンレスや人工大理石、メラニン化粧板や木材、ホーローなどが代表的なものですが、熱に強いもの、水や汚れに強いもの、デザイン性に優れたもの、手入れがしやすいものなどさまざまです。素材にも一長一短あるため、自分に合ったものを選びましょう。
LDKの面積によって理想のキッチンは異なる
キッチンを選ぶ際には、LDKの面積との兼ね合いも考えましょう。LDKの形状にもよりますが、キッチンとダイニング、リビングが直線的に並んだ長方形の間取りの場合、オープンキッチンに5畳前後、ダイニングに4畳前後、リビングに7畳~9畳前後で、合わせて16~18畳ほどあるとゆったりした空間を確保できるとされています。オープンキッチンの通常サイズは幅2メートル55センチで、奥行きはI型で約65センチ、アイランドやペニンシュラ型で約90センチです。引き出しを開けた状況を考慮すると、キッチンの作業スペースは85センチほどあれば快適でしょう。
壁側に幅45センチ程度の作り棚を設置し、約85センチの通路を挟んで約90センチのアイランド型キッチンを設置すると、合わせて約220センチとなります。畳の大きさは地域や用途によって差があるため一概に言えませんが、幅90センチ前後と考えると、キッチン部に畳2.4枚分くらいの幅が必要になるでしょう。オープンキッチンでは最低でもこれくらいのスペースが必要になるため、ダイニングやリビングのレイアウトを計算してからキッチンを決めないと、窮屈なLDKになってしまう可能性もあります。ただしキッチンの幅や奥行き、高さについてはバリエーションがあることを知っておきましょう。特に注文住宅であれば自由に部屋の広さや間取りを決められるので、生活スタイルに合った理想のキッチンを実現できます。
キッチンはおしゃれなだけでなく機能性も考えよう
キッチン選びではついおしゃれなものを買いたくなってしまいがちです。しかし毎日使うキッチンだからこそ、機能性も重視しなくてはなりません。キッチンの機能性は、実は飛躍的に進化しているのです。省エネ水栓はもちろんのこと、タッチレス水栓も登場し、衛生的で効率も上がります。掃除が面倒なイメージのあるレンジフードも、外側と小型フィルターのみを手入れすればよいタイプもあります。コンロはIHクッキングヒーターにすると、掃除がラクになる上に地震などの際にも安全です。また一体型の食洗器は音がグンと静かになっており、手では落とせない汚れも綺麗にできます。キッチンに何を求めるのかをきちんと考えておかないと、あっという間に予算オーバーになってしまいそうですね。
注文住宅だからこそできる自分らしいキッチン作り
キッチンは住宅建築で重点を置きたい場所のひとつです。家族が集まるキッチンは平和で賑やかな生活の中心となるでしょう。子どもの様子を見つつ作業するのならオープンキッチンが向いていますが、忙しくてこまめにキッチンを掃除できない場合や料理を満喫したい場合は、クローズキッチンがおすすめです。
生活スタイルや性格を考えて、理想のキッチンづくりを目指しましょう。間取りに制限があれば諦めるしかない理想のキッチンも、注文住宅ならぐっと身近になります。注文住宅ではキッチンの形や素材だけでなく、それを取り囲む壁紙や床の素材にもこだわって理想の空間を作れます。オープンキッチンの弱点である匂いや油ハネの拡散も、注文住宅なら解放感を失わず解決策を見つけられるかもしれません。一流の住宅会社や建築士に任せれば、さまざまなアイデアを出してくれるでしょう。
理想のキッチン作りを注文住宅で叶えてみませんか。