注文住宅を建てるときにまず気になるのは、周囲の環境や住みやすさではないでしょうか。桜島があり、海に面している鹿児島市は、鹿児島県内で最大の都市でありながら豊かな自然にも恵まれています。気候や治安、交通の便のほか、桜島が噴火することによる生活への影響も気になるところです。そこで、20代~30代前半の夫婦を対象に、鹿児島県鹿児島市での子育てや住みやすさについて紹介していきます。
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夏の降水量が多い鹿児島県鹿児島市の基本情報
鹿児島県は九州の南端にある県で、鹿児島市はその本土部分のほぼ中央に位置しています。鎌倉時代から江戸時代までの約500年にわたって島津氏が統治し、発展してきました。鹿児島県の県庁所在地であり、人口は2018年5月の時点で約59万7,000人、世帯数は約27万4,900世帯と、南九州の中心的な都市でもあります。
九州のなかでも南部にあることから一年を通して温暖で、年間平均気温は18.6℃です。年間降水量は平均して2,250mmほどと比較的雨が多く、特に6月から7月にかけての時期に年間降水量の約44%が降ります。鹿児島市は南北に長い形をしており、市街地はそのほぼ中央部です。市街地の東側には錦江湾が広がり、湾を隔てた位置にある桜島は鹿児島のシンボルとなっています。
県庁所在地の鹿児島県鹿児島市の特色
鹿児島県には指宿温泉(指宿市)や霧島温泉(霧島市)といった全国的に有名な温泉地がありますが、鹿児島市内の温泉も負けてはいません。市内には270もの温泉の源泉があり、その数は県庁所在地のなかで日本一です。日帰り温泉施設のほか街中の銭湯も温泉を使用しているところが多く、気軽に温泉を楽しむことができます。
県庁所在地であるため、県の行政・文化・教育の中心地で、9つの学部で多くの学生が学ぶ鹿児島大学も市内にあります。三方が海の鹿児島はアジアやヨーロッパからの航路の便が良く、古くから海外の国々と接点を持っていました。ベルギー出身の地理学者メルカトルによって16世紀に描かれたアジア図には、すでにその名が「Cangoxina」という名称で記されています。キリスト教の宣教師フランシスコ・ザビエルも、鹿児島から布教をスタートしたのです。江戸時代、幕府が鎖国を行うなかでも琉球(沖縄)を通して諸外国と交易を行い、海外の文化や技術に触れてその驚異を早くから感じていました。こうした先見の明が、西郷隆盛をはじめとする英傑を育てたのです。市内には今も、尚古集成館など当時の海外諸国とのつながりを感じさせる史跡が残っています。
市内の産業は第三次産業が多くなっていますが、桜島大根といった特産品もあり、農業や水産業もさかんです。
火山灰が降ってくる?鹿児島県鹿児島市の安全性や治安
鹿児島市で暮らすうえで、桜島の影響が気になる人も多いのではないでしょうか。鹿児島港からフェリーで約15分という距離にある桜島は、一年を通して活発に噴火する火山のため、風向きによっては市街地にも火山灰が降ってくることがあります。鹿児島市で暮らす際には、気象庁が毎日発表している降灰予報をチェックする必要があります。また、鹿児島市では、灰を集めて捨てるための克灰袋を市民に配布しています。
雨の多い気候のため、雨による水害にも気をつける必要があります。1993年8月の豪雨では、各地で川の氾濫や土砂崩れなどが発生し、甚大な被害をもたらしました。そのほか、台風の上陸数も少なくありません。
治安の面では、県内で一番人口の多い市であることから犯罪件数も多く、刑法犯、窃盗犯、自転車の盗難などの割合が高くなっています。日常生活で巻き込まれやすい犯罪には十分に注意する必要があるでしょう。
種類は多彩!鹿児島県鹿児島市の交通網
県内で最も規模の大きい市である鹿児島市は、交通網も発達しています。2011年に九州新幹線の鹿児島ルートが開業したことにより、福岡はもとより山陽地方や関西地方への移動がぐっと便利になりました。新幹線の停車駅である鹿児島中央駅の周辺は、新たな鹿児島の玄関口としてにぎわいを見せています。
JRの路線は鹿児島本線、指宿枕崎線、日豊本線の3路線が通り、市内に限らず市外・県外へ行く際の手段として利用されています。鹿児島市内の移動には市電(路面電車)とバスが便利です。市電は1系統と2系統の2つの路線があり、大人170円・子ども80円の全線均一運賃で利用できるうえに本数も多いことから、市民の大切な足となっています。そのほか、鹿児島港と桜島を結ぶフェリーが24時間運行されているなど、多彩な交通機関が日常的に使われているのが特徴です。鹿児島港には、県本土と県内の離島を結ぶ船も数多く発着しています。
エリアによって個性が変わる鹿児島県鹿児島市の利便性
南北に長い鹿児島市は、エリアによって違った個性を持っています。鹿児島中央駅西側の城西・西田エリアは、繁華街に隣接している住宅地で教育施設や文化施設が多いという特徴があります。この近辺は新幹線停車駅に近く遠方へのアクセスが良好な反面、市電を利用しづらい地域のため、車がないと不便を感じるかもしれません。
次に、鹿児島中央駅の南側です。鹿児島中央駅から南へ進むと、東西に走っている中洲通りという大通りがあり、その通りの南側の荒田エリアがあります。この地区には鹿児島大学があり、学生が利用しやすい飲食店などがたくさん建ち並んでいます。何よりこの地区は、市電の1系統もしくは2系統のどちらかを利用できる可能性が高いため、車がなくても便利に暮らせるエリアと言えるのではないでしょうか。
最後に、鹿児島市南部の谷山エリアについてです。このエリアには市電1系統の終点である谷山電停があります。鹿児島市と合併する前は谷山市という自治体だったため、今も谷山支所が置かれています。行政機関があり、病院や大型店舗も多いため、エリア内で買い物や通院を済ますことも可能です。市電とJRが通っていますが、移動のためには車があったほうが便利でしょう。
充実の鹿児島県鹿児島市の子育て環境
妊娠中や子育て中は、市が実施しているさまざまな支援を受けることができます。育児に関するアドバイスを受けられる育児相談や育児教室をはじめ、妊娠中のパパ・ママ学級、産後の体力回復を目的とした産後ケア事業、個別相談や親同士の交流ができるぷれママ・ママのほっとスペースなど、充実のサポート体制が整っています。また、市の子育て支援施設「りぼんかん」には、子どもが思いきり遊べるスペースがあるほか、さまざまなイベントや講座も開催されており、親子で参加可能です。
鹿児島県鹿児島市の土地価格相場
鹿児島市の2018年度における公示地価は14万2,100円/平方メートルで、坪単価は約47万3,000円/坪となっています。このなかには、天文館などの地価の高い繁華街も含まれているため、平均額を押し上げています。たとえば、住宅地のある谷山エリアになると公示地価は9万3,800円/平方メートル(坪単価約31万円/坪)となっています。
温泉でゆっくり!鹿児島県鹿児島市の観光スポット
鹿児島市内には家族で楽しめる観光スポットがいくつもあります。
#市内の温泉
鹿児島市内には、高級温泉旅館から銭湯の価格で入れる温泉まで、数多くの温泉があります。露天風呂、電気風呂、サウナとそれぞれに個性があり、お気に入りを見つけて通ったり、気分によって使い分けたりと、さまざまな楽しみ方が可能です。
#平川動物公園
市内南部にある、たくさんの動物とふれあえる動物公園です。園内にはコアラやキリン、アジアゾウ、ライオンなど141種もの動物が飼育されています。
#石橋記念公園
甲突川にかかっていた5つのアーチ石橋のうち、3橋を移設・復元し整備した公園です。園内の石橋記念館では、5つの石橋の歴史や架橋技術、石橋の移設・復元工事の様子を知ることができます。
#いおワールドかごしま水族館
イルカやデンキウナギなど、さまざまな海洋生物が展示されている水族館です。この水族館で展示されるジンベエザメは、代々ユウユウという名前が付けられています。鹿児島港にあり、市街地からのアクセスは良好です。
歴史の英傑が生まれた鹿児島県鹿児島市で注文住宅を
古くから海外と交易を行い、独自の歴史を刻んできた鹿児島市は、西郷隆盛や大久保利通といった歴史に名を刻む英傑を生み出しました。にぎやかな繁華街のなかにも、そういった歴史の面影があちこちに残っています。歴史や温泉といったたくさんの魅力を持ち、九州新幹線の開業によりさらに便利になった鹿児島市で、理想の注文住宅を建ててみてはいかがでしょうか。