美濃市は岐阜県のなかでも中濃地方と呼ばれるエリアにあり、日本国内でも中央に位置している市です。豊かな山並みや清流と呼ばれる長良川があり、自然に恵まれています。また、市内には歴史的景観を残す町並みがあるほか、和紙作りが盛んな街としても知られています。ここでは、理想の住まいで子育てをしていきたいと考えている20代~30代前半の夫婦に向けて、美濃市の住みやすさがどうなのか詳しく紹介します。
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日本のちょうど中央辺り!岐阜県美濃市の基本情報
美濃市は岐阜県のなかで中濃地域と呼ばれるエリアにあり、県内でも中央に近い場所にある市です。また、日本国内でもちょうど中央辺りに位置しています。さらに、日本の人口重心は全国的な人口の変化で南東方向へ少しずつ移動しているものの、1965年(昭和40年)から一貫して岐阜県内にあります。1957年(昭和50年)には美濃市に人口重心がありました。2015年に国土地理院によって公表された美濃市の面積は117.01平方kmで、東西が12.5km、南北が15.8kmの広さがあります。人口は2018年7月31日時点で2万837人、世帯数は8126世帯です。
美濃市の歴史は、岐阜県多治見市に生まれた戦国時代の武将・金森長近が、関ヶ原の戦いで功を上げ、徳川家より美濃市付近の土地を拝領して小倉山城を築城したことから始まっています。長近はお城を中心に町割りを整えたほか、長良川を利用して物資を輸送する拠点として上有知湊(こうずちみなと)を開き、経済発展も目指した街づくりを行いました。これら江戸初期に造られた町割りなどが今も残っているのが美濃市の特徴のひとつです。
歴史香る岐阜県美濃市の特色とは
江戸初期からの町割りが残されている美濃市の市街地では、明治、大正はもちろん、江戸時代に建てられた歴史的建造物も目にすることができます。「うだつの上がる町並み」として、国重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けているエリアもあり、歴史的な景観が保たれています。「うだつ」は、もともと火事が広がるのを防ぐ屋根の両端にある防火壁のことです。美濃市では、豪商が競い合って立派なうだつのある家を建てたといわれています。
豊かな山林と長良川や板取川という清流が流れる美濃市では、和紙作りの原料となる楮が多く採れたことから、和紙作りが行われてきました。すでに1300年以上の伝統があり、丈夫で繊細な美濃市で作られる和紙は美濃和紙と呼ばれています。現代アートにも使われるようになり、うだつの上がる町並みで美濃和紙あかりアート展が開催されるなど、美濃市では伝統文化が今に息づいています。
美濃市は豊かな山々や美しい川に恵まれていることから、山の幸や川の幸が郷土料理として有名です。長良川で育った鮎料理や、山で捕れた猪肉を使った猪鍋などが知られています。
人口が少なく治安は良好!岐阜県美濃市の安全性
美濃市は人口が2万人程度と少ないため、のどかで犯罪が少ない地域です。治安面では安全性の高い市だと言えるでしょう。美濃市では南北に長良川が流れ、中央部をほぼ東西に流れる板取川が長良川に合流しています。長良川周辺の地域では、災害時に浸水のおそれのある箇所も多く、ハザードマップでは過去に水が溢れた場所や増水すると橋が使えなくなる場所があるなど、詳しく警戒すべき場所が掲載されています。また、美濃市の大部分は山林が占めており、落石のおそれがある地域もあるため、ハザードマップを確認してくことが大切です。
岐阜県は県南部の美濃地方と北部の飛騨地方では気候が異なります。美濃市を含む美濃地方は飛騨地方に比べると平均気温が高く、真夏になると猛暑日になることも珍しくありません。そのため、夏季は熱中症に十分注意することが大切です。
本数が少ないのがネック?岐阜県美濃市の交通網
美濃市内には長良川鉄道の越美南線が通っており、北の郡上市や南の関市、美濃加茂市などに出向くときに利用することができます。市内には美濃市駅をはじめ5つの駅がありますが、電車の本数はあまり多くありません。関市方面への電車は昼間が1時間に1本程度、朝夕の通勤・通学時でも1時間に2本程度です。
市内には岐阜バスが走っているほか、公共交通機関として市が運営している乗合タクシーの「のり愛くん」や、関市との共同で運行されている自主運行バスの「牧谷線」があります。
美濃市内では、近隣市町村にアクセスできる長良川鉄道や市内を走るバスなどがありますが、本数が少ないため自家用車は必須です。市内には長良川沿いを南北に国道156号線が通っているほか、同じく南北に東海北陸自動車道も通っています。また、市の南端には東海北陸自動車道と東海環状自動車道が交差する美濃関ジャンクションもあるため、自家用車での移動は便利な市です。
地域によって不便なことも?岐阜県美濃市の利便性
美濃市内には、市役所のある美濃市駅近辺や東海北陸自動車道の美濃インター付近に、スーバーや大型ショッピングセンター、ドラッグストアなどが立地しています。また、市街地や幹線道路沿いなどにはコンビニも点在しているため、日常生活での買い物には困りません。ただ、鉄道路線や幹線道路から離れた山間部など、地域によっては商業施設や医療機関が少ないと感じる人もいます。さらに、交通の利便性がある都会の生活に慣れている人にとっては、電車やバスなどの公共交通機関の本数が少ないことに不便を感じる可能性もあるでしょう。
岐阜県美濃市の子育て環境とは?
美濃市内には保育所が6カ所、幼稚園は1カ所と少ないものの、美濃市役所から徒歩5分の場所に美濃市児童センターがあります。美濃市児童センターは、1階と2階にそれぞれ遊戯室があり、乳幼児向けの絵本や遊具、体を使って遊ぶことができるトランポリンやおもちゃなどの児童向け、幼児向けの遊具がそろっています。屋外には公園も整備され、子どもが自由に遊ぶことが可能な施設です。また、幼児親子向けや児童向けの行事も定期的に開催されています。
美濃市では、地域で子育てのサポートができるファミリーサポート事業に取り組んでおり、保育士や幼稚園教諭、教師、子育てのボランティア活動経験者などがサポートを行いたい人として登録しています。そのため、市内に在住している0歳から小学6年生までの児童ならば、ファミリーサポート事業を通じて預かりを依頼することができるのです。ほかにも、小学校1年生から4年生までの子どもを対象に、放課後指導員が自習や遊びなどを見てくれる留守家庭児童教室もあります。美濃市は自然豊かでのどかな街並みがあり、子育て支援も充実しているため、子育て中の家族にとっては暮らすのに最適な市だと言えるでしょう。
岐阜県美濃市の土地価格相場
美濃市の土地価格相場は2018年の地価公示価格で平均3万1,975円、坪単価だと平均10万5,702円です。地価公示ランキングでは全国1372市町村のうち712位という結果でした。市内で最も高かった美濃市駅付近でも4万2,000円であり、土地価格は高いとは言えません。また、1992年ごろまでは上昇傾向が見られたものの、その後は下落傾向にあります。
景観の美しい岐阜県美濃市の観光スポット
美濃市の相生町と常磐町、泉町、本住町にかけて残されている歴史情緒にあふれる「うだつの上がる町並み」が観光スポットとしても有名です。国指定文化財や市指定文化財に指定されている建物もあり、まるでタイムスリップしたような雰囲気を味わうことができます。また、市内を流れる長良川にかかる美濃橋は、近代吊り橋としては現存する日本最古の橋です。歴史的な価値があることに加え、緑豊かな山々を背景に真っ赤な橋が架かっている風景は、美しい景観が見られるスポットでもあります。
毎年4月の第2土曜日と日曜日に開催される「美濃まつり」は、美濃市に春を告げる祭りとして多くの市民が楽しみにしています。美濃和紙で出来た花を飾った花みこしや6基の山車、9種類の練り物が町を練り歩く光景は、豪華で見ごたえのある祭りです。ほかにも、10月中旬に行われる「美濃和紙あかりアート展」や、初夏に開催される自転車レースの「ツアー・オブ・ジャパン美濃ステージ」なども、市民が楽しめるのはもちろん、市外からも多くの人が訪れます。
静かな環境で子育てするなら岐阜県美濃市
美濃市は歴史的な町並みが美しいまま残されている地域があれば、山や川など自然の豊かさを感じることができる地域もあります。市街地や幹線道路沿いなどには商業施設なども点在しているため、日常生活に困ることはないでしょう。それでいて、静かな環境で子育てができるとともに、子育て支援も充実しています。子育て世代のファミリーなら、恵まれた環境の美濃市で注文住宅を建てることを検討してみてはいかがでしょうか。