山口県宇部市は、中部から北部にかけて主に山地で構成されており、また南部が瀬戸内海に面していることから山の幸も海の幸も豊富です。住環境や子育て環境の整備にも力を入れており、住みやすい町と言えます。今回は、これから子育てをしたいと考えている20代~30代前半の夫婦を主な対象とし、山口県宇部市の魅力や住みやすさについて解説します。
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さまざまな動植物が暮らす山口県宇部市の概要とは?
宇部市の面積は286.65平方キロメートルで、登録人口は2017年末現在で16万6,861人(男性7万9,598人、女性8万7,263人)です。世帯数は7万9,096世帯です。人口は1995年の18万2,771人をピークに緩やかな減少傾向にありますが、世帯数は増加しています。地域別に見ると、北部はやや大きく減少していますが、瀬戸内海に近い南部は横ばいか、わずかに増加しているという傾向にあります。
宇部市は瀬戸内式気候区になるため温暖で、雨が少ないという特徴があります。市の北部は中国山地の丘陵地帯であるため、人口は平野である南部に集中しています。交通の便については、鉄道は山陽本線、道路は山陽自動車道が市内を横断しており、九州や関西方面に行くうえでの利便性は十分です。山口宇部空港や山口港もあり、陸・海・空の移動手段が整備されている地域です。
山口県宇部市が選ばれた100選いろいろ
宇部市の南部にある「ときわ公園」は、宇部市を代表する観光スポットのひとつです。ときわ公園は一般社団法人・日本公園緑地協会が認定する「日本の都市公園100選」に選ばれているほか「日本さくら名所100選」「新日本歩く道紀行文化の道100選」などで、そのひとつに選定されています。また、2年に1回、UBEビエンナーレという野外彫刻の国際コンクールが開催されています。市内には「蟻の城」を初めとする約180点の彫刻が展示されており、これも見どころとなっています。
宇部市は港湾都市であるという特徴を活かし、第二次世界大戦後は石炭産業で発展してきましたが、同時に大気汚染で悩まされた歴史もあります。これを「宇部方式」という独自の取り組みで解決し、1997年には国連環境計画からグローバル500賞(国際的な環境功労者の団体を表彰する制度)を受賞しています。
ほかの地域と比べて山口県宇部市の犯罪率は?
2016年における全国の刑法犯認知件数は約99万6000件です。山口県単独では約6800件です。人口1,000人あたりで見た場合、全国の人口が約1億2,769万人、山口県が約139万人であることから全国では約7.8件、山口県は約4.9件であるため、山口県の犯罪件数が全国平均と比べて多いという傾向はありません。
山口県警が公表しているデータを見ても、刑法犯の認知件数は2008年の1万4,000件から大きく減少しており、6,800件のうち殺人・強盗・放火のような重要犯罪の件数はわずか63件にすぎません。したがって、少なくとも治安を理由として宇部市を選ばないという選択をする必要はないでしょう。2006年には「犯罪のない安全で安心なまちづくり条例」を制定・施行し、犯罪を未然に防止して市民が安心して暮らせる環境を作る努力をしています。
JRのほか路線バスが走る山口県宇部市の交通網
宇部市はその中心部をJR山陽本線が横断しているほか、市内南部では瀬戸内海に沿ってJR小野田線とJR宇部線が運行しています。山陽新幹線が停車する駅は市内にはありませんが、宇部新川駅からはJR宇部線と山陽本線を乗り継いで約40分、JR宇部駅からは山陽本線を利用すれば約25分で新山口駅に到着することができます。
また、宇部市内は路線バスが充実しています。宇部市交通局が運行する宇部市営バスを初めとし、船木鉄道やサンデン交通が運行するバスが市内南部だけでなく北部もカバーしています。宇部市営バスは宇部新川駅を拠点とし、宇部興産中央病院や山口宇部空港、ゆめタウン宇部などのあいだを20分~30分間隔で運行しており、市民にとって欠かせない交通手段となっています。
地域の暮らしやすさ指標で全国7位の山口県宇部市
宇部市は、経済産業省が平成27年に作成した「地域のコスト『見える化』システム」において、全国1,741の市区町村の中から暮らしやすさ第7位に選ばれています。これは、約1万人を対象としたアンケート調査によるデータをもとにしており、コンジョイントという手法によって利便性や教育、福祉、医療などの指標について算出したものです。「うべ移住・定住サポートセンター」では、この評価について、ショッピングモールや百貨店、映画館などの商業施設の豊富さと、海や山などのへのアクセスの良さとのバランスが評価されたのではないかと分析しています。
なお、同センターでは宇部市への移住を検討している人に向けて1泊2日の「うべ暮らし体験ツアー」や、1週間~4週間の少し本格的な「お試し居住」という手段を用意しています。注文住宅を建てる候補地を探しているなら、こうした企画を上手に活用すると失敗する確率を下げることができるので、迷っているなら検討してみましょう。
子育てで迷ったらコンシェルジュに!山口県宇部市の子育て環境
山口県の2017年における待機児童数は全国で、少ないほうから数えて第20位です(厚生労働省発表)。人数でいえば100人です。ただし、山口県内で最も待機児童が多いのは山口市の92人で、そのほとんどが山口市において生じている状況と言えます。2017年3月に公表した「宇部市保育実施計画」によれば、2016年において待機児童が生じたことを受け、市では私立保育園などへの人材確保等支援を行っていくことが明記されています。宇部市では通常の学童保育だけでなく、病児・病後児保育の施設も市内に6カ所用意されています。
また、宇部市では子育てを支援するためのさまざまな施策がありますが、一つひとつ調べるのが大変という人には「保育コンシェルジュ」というサービスが用意されています。たとえば、宇部市ではどのような保育を受けられるのか、親子で遊べる施設にはどんなものがあるのかなど、子育に関するアドバイスを受けることができます。居住したばかりで宇部市のことがよくわからないという人にとってはありがたいサービスなので、子育てをするなら利用してみましょう。
家族で楽しめるスポットが満載!
宇部市は住環境として適しているだけでなく、多くの観光スポットがあります。先述した「ときわ公園」には100ヘクタールの広大な土地に動物園や遊園地、植物館などがあり、子どもから大人まで楽しめる施設となっています。常盤湖の北には「ココランド スポーツ&リゾート」という施設があり、年中無休で水泳やゴルフ、フットサルなどを楽しむことが可能です。遊び疲れたら温泉(光明石を用いた人工温泉)で汗を流せますし、宿泊施設や結婚式場もありますので、近隣で生活している人から観光で来た人まで幅広いニーズに対応できる施設となっています。
山口県宇部市の土地価格相場は?
国土交通省が公表した2018年のデータによれば、宇部市の公示地価は3万8,566円/平方メートルで、坪単価にすると12万7,493円です。エリア別にみると、宇部新川駅から近い琴芝地区が最も高く、6万4,700円となっています。第2位が宇部新川地区の5万3,300円、第3位が宇部新川駅から1駅離れた居能地区の5万2,800円、4位以下は4万円未満となっています(いずれも1平方メートルあたりの価格)。全体的な傾向を見ると、JR宇部線の宇部新川駅と宇部駅から近いエリアの価格が高く、それ以外の地域は低くなっていることがうかがえます。
工業地帯でありながら景観の美しさを保つ街
宇部市は工業都市として発展したあと、大気汚染という深刻な課題を乗り越えてきたという歴史があります。住民の定住化や移住の促進だけでなく、子育て環境の整備などについて力を入れており、人口はやや減少しているものの、合計特殊出生率は2005年の1.26から2011年には1.42まで回復したという結果が出ています。
山の幸も海の幸も豊富で食生活が豊かであり、生活する土地の候補としては魅力的であると言えるでしょう。注文住宅を建てて新生活をスタートさせる予定があるなら、山口県宇部市を検討してみてはいかがでしょうか。