注文住宅の良さは自分の理想通りの家が建てられることです。しかし、いくら理想通りの家が建ったとしても、その地域に対して不満を抱いてしまうようでは最終的な満足度は低くなってしまうでしょう。注文住宅を建てる前にはあらかじめ候補地の地域についてよく知っておくことが重要です。交通の便が良く、若い世代に人気のエリアとして静岡県三島市がありますが、実際の住みやすさはどうなのでしょうか。そこで、20代~30代前半の夫婦を対象に、静岡県三島市の住みやすさと市の特徴について紹介します。
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富士山をはじめ火山に囲まれた静岡県三島市の人口や地勢は?
静岡県の東部に位置する三島市は北に富士山や愛鷹山、東に箱根の山々が連なる火山地帯の中央に位置しています。北東部は標高1,000メートル級の山々に囲まれていますが、市街地の海抜は20メートル程度とそれほど高いわけではなく、平地が広がっています。三島市の面積は62.02平方キロメートルと静岡県の市町村のなかでは5番目に小さいです。それに対して、人口はおよそ11万人(平成30年5月31日時点)を誇り、静岡県内ではベスト10にランクインします。そのため、人口密度は比較的高い地域だと言えます。
三島市の人口は統計データがホームページ上で公開されている平成11年から11万人前後を推移しており、ほとんど変わっていません。ただし、世帯数は平成11年がおよそ4万1,000世帯であったのに対して、平成30年5月31日時点ではおよそ4万9,000世帯まで増加しています。20年足らずで世帯数が増加しているということは、別の地域から移り住んでくる人が多いことを意味するので、住宅を建設する地域としては向いていると言えるでしょう。
温暖で街中に湧水がある!静岡県三島市の特色
三島市は地形上、東海道の最大の難所といわれた箱根峠の麓にあるため、かつてから箱根超えをする旅人たちが集まる宿場町として栄えていました。現代でもその面影をいたるところに残しているほか、街中のいたるところに湧水が湧いていて景観のきれいな街としても有名です。三島市は駿河湾からの距離が近いため、太平洋側の気候帯に属しています。海が近い地域では内陸と比べて冬の気温が下がりにくい傾向があり、三島市では真冬でも最低気温がマイナスになることはあまりありません。そのため、比較的温暖な地域だと言えます。
また、三島市では市民に対する意識調査を平成29年に行っており「せせらぎと緑や花を活かしたまちづくり」の満足率が高いという結果となりました。このことからは、市内に湧き出る湧水を活かした街並みや四季を感じられる散歩道などに対する市民の高い評価がうかがえます。さらに、同調査では国の幸福感との比較も行っており、三島市の幸福感が国の平均よりも高くなっているというデータも出ています。
静岡県三島市の治安や安全性は?
三島市の属する静岡県沿岸部は、常々大きな地震によって大変な影響を受けると言われています。そのため、三島市に住宅を建設することに不安を覚える人もいるでしょう。しかし、すでに大型の地震が起こる可能性が高いとわかっているため、市役所側がさまざまな対策を行っています。地域や学校などが主体となって行う防災訓練はもちろん、ホームページを活用した災害対策に関する情報提供もしっかりしています。確実に災害を防げる手段というものは残念ながらありませんが「災害に対する準備をしっかりできる街」であると考えられるでしょう。
また、住宅を建設するうえで大切な要素のひとつが周囲の治安です。三島市では自転車盗難や万引きなどのような軽犯罪は他市町村同様にありますが、大きな事件が頻繁に起こるようなことはこれまでありません。治安は比較的落ち着いている街だと言えます。
東京まであっという間!静岡県三島市の電車事情
三島市にはJRの東海道本線や東海道新幹線の停車駅となっているJR三島駅と、伊豆箱根鉄道駿豆線の駅が4つあります。利用客数が多いのはJR三島駅で、市内を東西に向かって走っているので静岡方面だけでなく東京方面へのアクセスも便利です。東海道新幹線のひかりを使えば東京都の品川駅までは37分、東京駅までは44分で到着します。そのため、新幹線通勤をする人も数多くいて、勤務先が神奈川や東京の人でも安心して三島に住宅を建設可能です。
伊豆箱根鉄道駿豆線は市内を南へ向かって通っており、伊豆方面へのお出かけに便利な路線となっています。JRと比べると通勤客数や本数は少ないです。
子どもの医療費は無料!静岡県三島市の子育て事情
三島市では市役所が独自の人口増加策を採用しているのも特徴です。なかでも、子育て支援が充実しており「中学3年生まで入院・通院による子どもの医療費無料」「保育園や幼稚園の保育料の負担軽減」といった支援策が採用されています。特に、保育料の軽減は第1子については国の定める額から約4割軽減、第2子は半額、第3子は無料という充実ぶりです。また、妊娠・出産・子育てで悩みがあるときに気軽に利用できる「子育てコンシェルジュ」や「子育て世代包括支援センター」といったサービスや施設もあります。子育てに関する悩みや就学前の子どもの預け先などについて相談できるので、近隣に相談できる人がいない人でも安心して移住できます。
静岡県三島市は移住サポートが充実
三島市は人口増加策の一環として子育て世帯に対する手厚い支援だけでなく、移住者を増やすための支援も行っています。移住者のために行っている主な支援策は「住むなら三島移住サポート事業」や「若い移住世帯・子育て世帯向け補助金制度」などです。「住むなら三島移住サポート事業」では、夫婦いずれかが40歳未満であるという条件はありますが、市内に住宅を建設する際に支援金を受けられます。受けられる支援金の額は県外からの移住者は120万円、市外からの移住者は50万円で子ども1人につき10万円の加算(30万円が限度)があります。
一方「若い移住世帯・子育て世帯向け補助金制度」は住宅の取得の有無に限らず、支援金が支給される制度です。子育て世帯(中学生以下の子どもがいる世帯)は上限30万円、夫婦のいずれかが40歳未満かつ県外からの移住者には上限20万円が支給されます。
静岡県三島市の観光スポットは?いろいろあって迷うかも
静岡県三島市は昔から交通の要所として栄えてきた関係上、歴史的な建造物が数多く残されており、観光スポットとなっています。三島市の中心部である三島市役所の近くにある「三嶋大社」は鎌倉幕府の創始者である源頼朝が挙兵にあたって参拝したことで有名です。お盆シーズンには夏祭りが行われるほか、樹齢1200年と言われる金木犀が秋には見ごろを迎えます。歴史を感じさせるもうひとつのスポットとして有名なのは「山中城跡公園」です。天下の堅城である小田原城を守るための支城として築かれましたが、豊臣秀吉の前に抵抗むなしくわずか半日で落城したことで知られています。石を使用していない山城は非常に珍しく「日本百名城」に選ばれています。
湧水が豊富なことで有名な三島市ならではの市民の憩いの場所となっているのが「源兵衛川」です。初夏には蛍が舞うので幻想的な雰囲気のなかを夜の散歩をして楽しむのもよいでしょう。また、水深の浅い川に飛び石などが設置されているので、夏には子どもたちがたくさん遊んでいます。
静岡県三島市の土地価格相場は?
三島市の気になる土地価格相場は、平成30年の公示地価で平均坪単価は40万3,400円です。静岡県全体の公示地価の平均坪単価が29万4,768円であることを考えると静岡県内では高い部類に入ります。ただし、通勤圏内である東京都の坪単価平均340万2,839円や、神奈川県の坪単価平均80万1,316円と比較すると、非常に安い価格であると考えることもできるでしょう。また、三島市のなかでも交通アクセスのよい三島駅周辺ほど坪単価は高くなる傾向にあります。一般的に郊外に行けば行くほど坪単価は安くなるので、予算と相談しながら住宅を建てる場所を選定するようにしましょう。
美しい湧水の街!静岡県三島市で理想の注文住宅を建ててみては?
静岡県三島市は気候も温暖で、街中にはいたるところで湧水が湧いている風光明媚な地域です。治安については比較的良いうえ、新幹線の停車駅である三島駅があるので東京方面への通勤アクセスも問題ありません。子育て世帯や移住者に対する助成金およびサポートも市役所を中心にしっかり行っていますので、長期間住むには向いている地域だと言えます。これらのことから、静岡県三島市は注文住宅を建てて末永く暮らすための候補地として、とても良い場所だと言えるでしょう。